公立ルートを行く

公立中学校で3年間を過ごし、高校受験を経験して、自分のベスト大学に進学する教育ルートの魅力を発信します

教育・学び

「東京の空間人類学」を読む

この本は、なんといってもタイトルに先ず惹かれる。著者は、法政大学名誉教授の陣内秀信氏である。都市学の分野で最も有名な先生ではないかと思う。ブラタモリにも何回か登場している。 個人的には、2005年7月に放送された「イタリア縦断1200キロ」(NHKの衛…

高校生活に慣れるまでが大変だ

4月に娘が高校生になって、3週間目に入ったところだが、いやぁ大変そうだ。 まず何といっても通学にかかる時間と労力が違う。中学校は家から歩いて15分だったが、高校までは地獄の満員電車に乗り、駅からも歩く。娘は満員電車の経験がこれまでないので、相…

高校の理系教科の先生たちへの期待

高校入学式を終えた翌週のある日の夕食時に、娘が高1の最初の授業の話をしてくれた。国語と社会の先生は、授業時間を全て使って自己紹介をしたそうである。その話はとても興味深く、教える教科の内容に関係していて、この先生達に学ぶことがとても楽しみに…

「高校数学でわかる相対性理論」を読む

竹内淳先生の「高校数学でわかる」シリーズは、高校物理から大学物理への橋渡しとなる良書である。自分がこのシリーズから一冊だけ選ぶとすれば、やはり「高校数学でわかる相対性理論」になる。 久しぶりに読んでみたが、いやぁ〜難しい。しかし、子供(娘)…

高校の部活選びは大変だ

高校の入学式を無事に終えて(自分は仕事で行けず、妻と義祖母の二人が出席)、娘の部活選びが始まった。中学校の時と同じ運動部に入る予定だったが、先輩部員が少なく(これはちょっと警戒シグナル)、新しい友達と一緒に仮入部したが歓迎ムードではなかっ…

「国際政治 恐怖と希望」を読む

自分は読書家ではない。1年間殆ど新しい本を読まなかった年もある。しかし、娘が4月に高校生になるタイミングで読書欲が湧いてきた。理由は簡単で、自分がこれまでに読んで感銘を受けた本を娘に勧めたいからである。 中公新書の「国際政治 恐怖と希望」は…

「大学入試問題で読み解く「超」世界史・日本史」を読む

この本をずっと読まずに本箱の中に眠らせていた。 ある時から週刊新潮の巻頭コラムを読むようになり、博覧強記の書き手の振れ幅の大きいストーリーに魅せられるようになった。書き手は片山杜秀氏で、慶應義塾大学法学部教授(専門は政治思想史)である。そし…

中学校卒業式、新たな旅立ち

中学校の卒業式に感動した。入学した時はまだ子供だったが、卒業を迎えた今は大人の一歩手前だ。みんな大きく成長した。体育館に入場する時、全員が晴々しい顔をしていた。 卒業証書を授与される瞬間が「最高の時」と想像していたが、違っていた。答辞の後の…

5ヶ月前の合唱コンクールに感動した

先週末、娘が部活の3年生約10人で打ち上げをしている間、自分と妻は文化祭での合唱コンクールのDVDを見た。最初は面白半分に見ていたが、生徒達が心を一つにして合唱している姿を見て、思わず感動してしまった。 小学校の授業参観で娘の席の近くにいた元気な…

日比谷高校の志願者減少と高校授業料無償化

日比谷高校の2024年度入試の志願者数が459人となり、前年度の581人から122人減少した。最終的には354人(前年度は474人)が受験して268人が合格したが、辞退者18人で定員割れとなり(募集人員253人)、5年ぶりに二次募集を実施する(といっても募集人員は2人…

2039年の未来では学歴より学習意欲が大事になる

最近、2023年の出生数が75.8万人であったと報じられた。前年比5.1%減である。今年高校受験をした15歳の人口は約109万人なので、15年間で30%減少したことになる。このペースでいくと、15年後の2039年には60万人を割り込んでいるはずである。 2024年度大学入…

教育受験ブログを書くことについて

2023年7月にこのブログを始めて、ちょうど7ヶ月が経過した。約3万人のみなさんに閲覧していただいた。感謝。 なぜこのブログを始めたのか。我が子(娘)は、小学校に上がる頃には公立ルートに向いていることがわかっていた。しかし、ネット上は「難関中高…

共学=男女共同参画の時代

男女共同参画の時代である。ここに来て、男女共同参画の動きは加速度を増しているように思う。 男女共同参画基本計画 1999年に「男女共同参画社会基本法」が制定され、5年ごとに基本計画が見直されてきた。現在は、2020年の第5次基本計画が進行しているとこ…

中学受験を経験して公立中学校に進学する選択肢

2月1日から2月5日ぐらいまで、首都圏の中学入試がピークを迎える。第1志望の学校に合格できる受験生の割合は約3割と言われている。第1希望の学校に合格できなかった時、地元の公立中学校に進学する選択肢が浮上してくる。 今回は、中学受験を経験して公立…

大学費用の比較:文系学部vs工学部 早慶vs国公立

今回は、文系学部と工学部の大学費用(学費+生活費)を比べてみたい。私立大学文系学部を代表して早稲田大学政治経済学部と慶應義塾大学法学部、国公立大学を代表して横浜国立大学と東京都立大学の4大学を選び、具体的に比べてみる。 ※各大学の学費(2024…

私立大学の入学金納付期限から考える併願戦略

明日から国公立大学一般選抜の出願が始まる。1月22日(月)から2月2日(金)までを出願期間とする大学が多いようだ。私立大学については、1月19日までに出願手続きを終えた受験生が多いと思うが、一般選抜(後期日程)や大学入学共通テスト(以下、共通テス…

2023年教育分野の5大ニュース

今年最後は、2023年教育分野の5大ニュースを取り上げたい。私の勝手なセレクションであることについては、ご容赦願いたい。 1. 高校・大学の授業料無償化 今年、高等教育費の負担軽減策(子育て支援策)が相次いで発表された。 8月25日、大阪府は大阪府民に…

中学受験は「勝てるゲーム」であることが大前提

他人の意見は参考にならない 小学生の我が子に中学受験をさせるか? 中学受験の専門家の意見は参考にならない。結局、多くの小学生に中学受験をしてもらわないと商売にならない。ネット掲示板の意見はもっと参考にならない。中学受験賛成派と反対派に真っ二…

小中高で英語をどう学ぶか

小学校時代の英会話スクール 小学校時代に英会話スクールに通わせるべきかどうか、正解はわからない。我が子(娘)の場合は、英会話に慣れることを目的として、一軒家の英会話スクールに通わせた。ハロウィンパーティやクリスマスなどの行事もあり、英語圏の…

藤井八冠の対局を見て思うタイムマネジメントの重要性

私はいわゆる「観る将」*1である。藤井聡太棋士が2016年にプロデビューしてから、2023年10月11日に王座を獲得して史上初の八冠になるまで、藤井棋士の対局を abemaTVや将棋アプリで観戦してきた。 北斗神拳2000年の歴史で最強の男がケンシローなら、将棋400…

中2国語の「クマゼミ」は中学生を科学的探究へと誘う

中学2年の国語の授業で、「クマゼミ増加の原因を探る」(以下、「クマゼミ」)を習う。元京都大学教授の沼田英治先生の研究成果だ。 小4の学習テーマ「ごんぎつね」は小学生を深い学びへと誘うが、中2の「クマゼミ」は中学生を科学的探究へと誘う。 小4で…

「ゾウの時間 ネズミの時間」と高校数学

少し前の話になるが、子供(娘)が中学生になって生物に興味を持つようになったので、何の気なしに「ゾウの時間 ネズミの時間」(著者は本川達雄東京工業大学名誉教授)をアマゾンで買って渡した。1ヶ月ぐらいして、読むのに随分苦労していたので、自分で本…

非認知能力を育み一生の財産にするのが公立ルートだ

公立ルートは子供が親に決めさせた 私は、子供(娘)が生まれたときから小学1年生になる頃までは、子供に私立中学を受験させるつもりであった。SAPIXの前を通る度に「いずれここに通わせることになるなぁ」と思っていたのである。しかし、子供が小学1年生に…

「高校数学でわかる」シリーズで高校物理の先を垣間見る

ブルーバックスの対象読者は誰なんだろう ブルーバックスは、講談社が刊行している一般読者向けの科学シリーズである。「子供から大人まで楽しめる」というのがキャッチコピーだが、本当のところ、ブルーバックスの対象読者は誰なんだろう? 学校の勉強では…

AI時代の最重要資源である半導体の供給源を確保せよ

半導体を巡る世界規模の戦いが勃発した二つの要因 2021年頃から、半導体を巡る議論が活発になり、これをテーマにした本を良く見かけるようになった。「半導体戦争 世界最重要テクノロジーを巡る国家間の攻防」(クリス・ミラー著)は、本のタイトルが秀逸だ…

高校物理は数IIBを習得してから学ぶのが良い

私は文系学部の卒業である。大学に入ってから、オプション理論(ブラック・ショールズモデル)に興味を持ち、数IAから勉強し直し、長〜い時間をかけて、線形代数、フーリエ変換、ベクトル解析などの本を読み、初等レベルの量子力学の本に辿り着いたところで…

小4で出会う「ごんぎつね」は 心の成長そして深い学びへと誘う

2020年に新しい学習指導要領が小学校でスタートした。目指すのは「主体的・対話的で深い学び」だ。小学校の授業は想像以上に良いものになっている。 小学生が取り組む学習教材の中で、「ごんぎつね」は特別な位置を占めているように思う。兵十が狐のごんを銃…

公立中学校の一番の魅力は多様性

いろんな個性の子供が集まった”小社会” 公立中学校の一番の魅力は多様性である。勉強のできる子・できない子、スポート万能な子・スポーツ音痴な子、性格の明るい子・暗い子(陽キャ・隠キャと言うらしい)など、いろんな個性の子供が集まった”小社会”であり…