いろんな個性の子供が集まった”小社会”
公立中学校の一番の魅力は多様性である。勉強のできる子・できない子、スポート万能な子・スポーツ音痴な子、性格の明るい子・暗い子(陽キャ・隠キャと言うらしい)など、いろんな個性の子供が集まった”小社会”であり、多様性に満ちている。自分の子供には、そうした環境の中で自分というものを見つめ、多様性の中で生きていく力を得て欲しい。これが親としての第一の願いである。
異性の刺激を受けながら過ごす6年間
我が子は娘なので、多感な時期である中学校、高校の6年間を異性の刺激を受けながら過ごして欲しい。公立ルートには勉強もスポーツも万能な文武両道の男子がたくさんいる。今年の全国高校野球選手権神奈川大会のベスト16に公立4校が残ったことは記憶に新しい。市ヶ尾、湘南、舞岡、横浜商の4校である。もちろん、選手達は公立中学校出身だろう。
娘には将来幸せな家庭を築いて欲しい。中高の6年間、文武両道のイケメン男子から遠ざかるのはもったいない。
これからは男女共同参画の時代
今年6月、「女性版骨太の方針2023」が閣議決定された。東京証券取引所のプライム市場に上場する企業に対して、2030年までに女性役員比率30%以上を目指しなさいという案が含まれている。日本の現在の女性役員比率は13%ぐらいなので、これはすごい目標だ。これからの企業は、企業活動を行っていく上で、二酸化炭素の排出量を削減するなど環境問題にも積極的に対応していかなければならない。男女が共同参画して会社を運営していく方が良い時代が来たのである。公立中学校から公立高校へと進む公立ルートでは、様々な場面で男子・女子が共同参画して何かを決めたり運営していく。まさに社会のトレンドに合致しているのである。
「中学受験で学力上位層がごっそり抜ける」は本当か
俗な不安はこれだろう。横浜市の場合であれば、実感としてそういうことはない。6年生のクラスに生徒が40人いるとすれば、10人ぐらい(つまり25%)が中高一貫校に進学する(中学受験をする子は30%程度はいると思う)。このうちの約半分の子は勉強ができる層の子だが、勉強ができる順に抜けていくわけではない。残りの約半分の子については、子供に高校受験をさせたくないとか、別学の方が子供の性格に合っているとか、そういった理由によって中高一貫校を選んでいるように思われる。
超ハードな毎日
公立中学校の生徒は、学校での授業、委員会活動、部活動、塾とびっしりスケジュールが詰まっている。朝8時頃に家を出て学校に行き、15時半ぐらいまで授業、16時から部活動か委員会活動、18時に下校して大急ぎで準備をし(ご飯もゆっくり食べられない)、19時から21時半頃まで塾だ。22時前に帰宅して、風呂に入って1日が終わるわけではない。学校の課題への準備だったり塾の宿題だったり、1時間か2時間は勉強するだろう。これを自分で回していくのだから恐れ入る。
中学受験して中高一貫校に入れば、中学校時代は少なくとも受験のプレッシャーからは解放される。ただ、小学校5−6年生の毎日が超ハードになる。結局、今の教育ルートでは、高校に入る前にどこかで超ハードな毎日を過ごさなければならないということなのかもしれない。