公立ルートを行く

公立中学校で3年間を過ごし、高校受験を経験して、自分のベスト大学に進学する教育ルートの魅力を発信します

中学受験を経験して公立中学校に進学する選択肢

 2月1日から2月5日ぐらいまで、首都圏の中学入試がピークを迎える。第1志望の学校に合格できる受験生の割合は約3割と言われている。第1希望の学校に合格できなかった時、地元の公立中学校に進学する選択肢が浮上してくる。

 

 今回は、中学受験を経験して公立中学校に進学する選択肢について書きたい。

 

多様性のある集団でのグループワークで得るものは大きい

 私立中学は、学習環境、特にICT教育や英語教育などの面では公立中学校よりも優れていると思う。しかし、国語や社会のグループワーク(高校での探究活動の前段階)では、同質性の高い生徒同士で話し合うよりも、多様性のある生徒同士で話し合う方が得るものは大きい。公立中学校は、この面では控えめに言っても、私立中学校に劣っていないと思う。

 今、ダイバーシティ&インクルージョンの時代が本格的に到来している。男女別学はガラパゴス化しつつある。私立中学に進学するにしても共学が良いと思う。

 

スクールカーストの中で生きる力を養う

 公立中学校にはスクールカーストが存在する。文武両道でなければ1軍に入るのは難しい。この中でどうやって生きていくか、これが生きる力を養うと思う。もし、スクールカーストの1軍に入る子供であれば、良いリーダーシップを発揮する機会になる。もし、1軍であれ他の軍であれ、いじめに合うようであれば、真のリーダーを頼れば良い。200人か300人に一人は真のリーダーが存在する。真のリーダーである生徒は、誰とでも分け隔てなく付き合い、困っている人に積極的に手を差し伸べる。スクールカーストを超越した存在である。

 

中学受験で培った学力と勉強習慣が武器になる

 間違いなく、公立中学校のスタート時点では学力の面でリードしている。中学受験を通じて勉強習慣が確立しているのであれば、公立中学校に入ってから怠けてリードを失うようなことはない。

 ただ、ここが重要なのだが、公立中学校では、授業、部活動、委員会、体育祭、文化祭など、様々な場面で積極的に行動する子供が輝く。学習以外はあまり積極的ではない場合は、私立中学の方が良いかもしれない。

 

大学卒業までにかかる費用は大きい

 最後はやっぱりお金の問題である。親は中学受験に250万円ぐらいは投資するのではないかと思う。この投資は、私立中学に進学しなかったからといって無駄になるわけではない。私立中高一貫校に入れば、中高6年間で公立ルートよりも400万円程度は多くかかると思う。

 大学の理系学部(修士課程を含む)に進む場合、国公立大学であっても約660万円(親元から通う場合の生活費を含む)はかかる。文系学部で海外短期留学をしたら、同じ程度はかかるだろう。もし、私立大学の理系学部に進むようだと、大学6年間にかかる費用は1千万円を超えるのである。

 

 公立ルートでも相当の投資が必要になる。私立中高6年間でのプラス400万円は後から効いてくるはずである。大学卒業までにガス欠にならないようにしなければならない。