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柏陽高校の教育課程・大学合格実績・入試難易度(2025年度版)

 柏陽高校は、2024年度入試選考基準として学力検査のウエイトを高くした372型を採用し、どういう入試結果になるのか、注目していた。

 以下、教育課程の特徴、大学合格実績、入試難易度の順に見ていきたい。

 

 柏陽高校は1967年に開校した。歴史が浅いのに神奈川NO3の地位をどうやって築いたのか、興味深い。

 大学合格実績で学部まで開示しているのは柏陽だけだ。5月に卒業生による進路講演会が行われたようだが、これは現役生にとってはありがたい。しかも、登壇する卒業生の進学先が興味深いところばかりだ。

 

教育課程の特徴

 高1では、社会は歴史総合と公共、理科は基礎3科目を履修する。

 高1で理科基礎3科目を履修するのは神奈川モデルだ(東京都の進学指導重点校の理科の進度はもっと遅い)。

 

 高2で実質的に文系理系に分かれる。文系志望の生徒は日本史探究または世界史探究、理系志望の生徒は化学(必修)+物理または生物を選択履修する。どういうわけか、数学Bは高2で履修しない(高3で全員必修する)。

 文系志望の生徒が理科の発展科目を1科目も履修しないというのは、県内屈指の進学校であることを考えると、ちょっと残念な感じがする。

 

 高3で正式に文系理系に分かれる。

 他の高校では見られる「数IIIを履修しないソフト理系」はない。

 

 何か目を見張るような特徴があるわけではない。大学受験(最終目標)に向けて効率性を重視した教育課程であることが特徴になるかと思う。

 

<実力アップ講習>

  土曜講習と夏期講習があるようだが、夏期講習の講座一覧を見ると、「塾には行かなくてもいいんじゃない」ぐらいな感じがする。高校の先生って、ちゃんと休みが取れるんだろうか。

 

2024年度大学合格実績

2024年3月卒業生306人+前年度卒業生のうち進学準備他46人=352人を分母にして合格率を計算した。

 

参考記事:

神奈川進学重点校+YSFの筑波・農工・都立大合格圏(2024年度入試) - 公立ルートを行く

 

難関国公立大学合格者数51人(現役45)
難関国公立大学合格率 14.5%
筑波大(理系)合格圏 14.5%
浪人率14.8%(前年度数値)

 2023年度は45人(現役39)であったので、6人増えた。東工大8→12が目立つ。一橋大学の合格者数は1人と少ない(前年は2人)。トップ層は理系が多いのかもしれない。

 校内上位15%だと評点平均4.3は取れそうなので、筑波大学の学校推薦型選抜が狙える。

 

準難関国立大学合格者数52人(現役45)
難関・準難関国公立大学合格率 29.3%
農工・電通大合格圏 29.3%

 2023年度は77人(現役65)であったので、かなり減った。横国44→36、千葉11→6、東京農工9→5、電通10→3といった具合である。それでも、準難関国立大学の合格者は多い。

 

国公立大学合格者数155人(現役135)
国公立大学合格率 44.0%
都立大(理系)合格圏 44.0%

 2023年度は165人(現役136)であった。国公立大学合格率40%超えは凄い。

 

高校入試難易度

2025年度用神奈川県高校受験案内(声の教育社)に掲載された情報を利用。

 

 2024年度入試倍率は1.34倍で、前年度の1.37倍から若干低下した。

 

 合格者平均は、内申126.3、学力検査427.4点、特色検査約59点、全県模試偏差値70.3。学力検査を重視した372型(内申3、学力検査7、特色検査2)の入試選考基準を採用した影響で、内申平均が0.9下がった。学力検査得点は前年度から▲17.3点となった。

 

 S値の合格者平均(各項目の平均を足し合わせた単純平均)は997点になる。第1次選考のS値ボーダーは957.5点とのことで、合格者平均とボーダーの幅は39.5点。

 ボーダーラインが965点前後だとしっくりくる。もしかすると、合格者平均より少し高いところに得点分布のピークがあるのかもしれない。

 

 全県模試偏差値68(合格者平均に対して▲2.3)の場合、入試得点は▲15.18点(本ブログでは、偏差値が1.0下がると入試得点が6.6点下がると想定)で、S値で▲21.25点になる。特色検査▲4点(特色検査を含めた一次ボーダーと特色検査を除いた一次ボーダーの差を考慮した)だとS値は▲8点で、合計で▲29.25点となり、ボーダーラインは上回っている。

 柏陽高校を受験するなら、全県模試偏差値68は欲しい。

 

 横浜緑ケ丘高校との入試難易度を比較してみる(両校の特色検査は同じ)。横浜緑ケ丘が採用する入試選考基準462型と仮定してS値合格者平均を計算し直すと1005点になる。横浜緑ケ丘のS値合格者平均は994点で、両校の差は11点。横浜緑ケ丘のS値合格者平均を柏葉高校が採用する入試選考基準372型で計算し直すと983点で、両校の差は14点と少し大きくなる。

 合格ゾーンど真ん中の受験生は、柏陽でも横浜緑ケ丘でも合格できる。

 

 入試選考基準の影響で、男女比率が大きく変わった。2024年5月現在、柏陽高校の1年生の男女比率は61.6対38.4、2年生は55.8対44.2、3年生は54.1対45.9で、男子比率が大きく上昇した。横浜緑ケ丘高校の1年生の男女比率は39.7対60.3なので、ほぼ真逆になっている。学校選びのポイントとして益々大きな要素になりそうだ。