小田原高校は1900年創設(開校は1901年)の伝統校で、神奈川県では2番目に古い。学力向上進学重点校(2024年度に指定)であり、スーパーサイエンスハイスクール(2023年度に指定)であり、理数教育推進校(2019年度に指定)でもある。
神奈川県民なら、年に1度は小田原に行く。小田原城や御幸の浜を散策して、魚の旨い居酒屋で一杯やって家に帰る。太田和彦のふらり旅の世界だ。
以下、小田原高校の教育課程、大学合格実績、入試難易度の順に見ていきたい。
教育課程の特徴
65分×5時限(ベース)。
高1では、社会は歴史総合と公共、理科は基礎3科目を履修する。SSHの特例による科目としてOdatechI、理数教育推薦校として理数探究基礎がある。
SSHの概要図を見ると、Odatech、数学Σ(2年次から)、理数探究の3つの科目が組み合わされている。
高2で文系理系に分かれる。文系は地理総合+日本史探究または世界史探究を履修する。理系は化学+物理または生物を履修する。OdatechIIは選択、数学Σと理数探究は全員必修になる。
理系コースは厚木高校の2年次とほぼ同じ。
高3では、国公立文系I型(地歴2科目)、国公立文系II型(地歴1科目)、私立文系型、国公立理系I型(数III)、国公立理系II型(数学特講)、私立理系I型(数III)、私立理系II型(数学特講)の7コースに分かれる。生徒全員が理数探究で課題研究の発表をする。
国公立大学受験と私立大学受験は別物という前提に立っている。国公立大学と私立大学の併願成功率に関するネット上の情報を見ると、予想外のデータに驚く。
2024年度大学合格実績
2024年3月卒業生313人+前年度卒業生のうち進学準備他29人=342人を分母として合格率を計算した。
参考記事:
神奈川進学重点校+YSFの筑波・農工・都立大合格圏(2024年度入試) - 公立ルートを行く
難関国公立大学合格者数23人(現役16)
難関国公立大学合格率 6.7%
筑波大(理系)合格圏 6.7%
浪人率9.2%(前年度数値)
2023年度は28人(現役22)
北海道大8名(+5)が目立つ。2023年度は東大合格3名のインパクトが強かった。
準難関国立大学合格者数19人(現役17)
難関・準難関国公立大学合格率 12.3%
農工・電通大合格圏 12.3%
2023年度は32人(現役28)
農工大と電通大の合格者はゼロ。地理的に遠いから受験しないのだと思う。
国公立大学合格者数86人(現役74)
国公立大学合格率 25.1%
都立大(理系)合格圏 25.1%
2023年度は118人(現役104)
2024年度の国公立大学合格者数は前年度から大幅に減少した。2023年度の大学合格実績が直近3年間で突出して良かったとも言える。
高校入試難易度
2025年度用神奈川県高校受験案内(声の教育社)に掲載された情報を利用。
2024年度入試倍率は1.30倍で、前年度の1.19倍から上昇した。
入試選考基準は内申4、学力検査6、特色検査1の461型。合格者平均は、内申126.3、学力検査402.5点、特色検査点49点(推定)、全県模試偏差値65.2。内申は前年度から+2.3。学力検査は前年度から▲9.2点。
特色検査得点は、同じタイプの横浜緑ケ丘の合格者平均に対して▲6点とした。
S値の合格者平均(各項目の平均を足し合わせた単純平均)は906点。第1次選考のS値ボーダーは860点とのことで、合格者平均とボーダーの幅は46点。
合格者平均から▲22点(S値1100点満点の2%)が安全ライン(ほぼ間違いなくボーダーの上にいる水準)と考えているが、▲33点(S値1100点満点の3%)でもまだ余裕がある。
全県模試偏差値63は合格ゾーンに入っている。合格者の偏差値帯は広い(63から70)のではないかと思う。これは、高校入学時の学力の差が結構あることを意味する。
2025年度入試は、大学合格実績低下の影響が強く出れば入試倍率は下がるし、厚木高校(2024年度入試は難化)からのスイッチの動きが強く出れば入試倍率は上がる。この二つの要因のせめぎ合いで入試倍率が決まると思う。