私立大学の薬学部は学費が高いし(6年間で約1200万円)、薬剤師という仕事の魅力が今一つピンとこないので、「我が家とは縁がない」とあまり考えたことがなかった。
しかし、子供(娘)が進学した公立高校の卒業生の進路をよ〜く眺めると、薬学部に進む人がそれなりにいることがわかってきた。
総合大学の中にも薬学部はあるが、○○薬科大学として首都圏で有名なのが、昭和薬科大学、東京薬科大学、星薬科大学、明治薬科大学の4大学(あいうえお順)で、四薬科大学と呼ばれている。
<薬剤師国家試験合格者数・合格率>
(第109回)
明治薬科大 268人(82.21%)
星薬科大 258人(80.63%)
東京薬科大 379人(79.12%)
昭和薬科大 227人(77.47%)
新卒者に限ると、合格率は80%台後半になる。
四薬科大学の偏差値(河合塾)は、47.5〜55.0のレンジである。公立上位校の生徒であれば、頑張れば届きそうだ。所在地も悪くない。
昭和薬科大 東京都町田市
東京薬科大 東京都八王子市
星薬科大 東京都品川区
明治薬科大 東京都清瀬市
明治薬科大だけ、神奈川県からちょっと遠い。
入試におけるメリット
共通テストを利用しない入試方式の場合、英語、数学、化学の3教科が受験科目になる。数学の範囲は数学IA及び数学IIBCで、数学IIIは範囲外である。
数IIIが不要で、理科は化学だけでOKなのである。
入学後のデメリット
学費が高い(約1200万円、教材費等は別だろう)。私大文系だと4年間でざっくり500万円なので、700万円も余計に投資しなければならない。
薬剤師になるのに金がかかるけど元が取れるのか、という疑問が生まれる。薬剤師の平均年収は600万円弱なので、元は回収できないのではないだろうか。
親が投資するから問題なし
実は、700万円の超過分は親が投資するので、子供が自分で回収する必要はない。特に女性の場合、薬剤師という国家資格を持つことで、産休や育休を十分に取ってから復職するオプション(権利)の持つ価値は大きい(イクメンの時代だから、男性にも当てはまる)。休んでいる間はeラーニングやWebセミナー受講などで能力の維持を図るのかもしれない。
薬学部の学費は高いが、これは親から子供への超高価な贈り物と考えれば、しっくりくる。