4月から中学生になる子供の親は、子供の公立中学校での成績がどうなるか、期待と不安が入り混じっていることと思う。新中2生、新中3生になる子供の親は、「先生、そろそろ、うちの子の内申上げてよ」と思う時期である。自分がまさにそうだった。
定期テストで良い点を取る、提出課題に対して時間をかけて良いものに仕上げる、授業で積極的に発言する、これらは重要だろう。
生徒会役員、部活の部長、体育祭・文化祭の実行委員長、あるいは学評(学級委員)になる、これらも先生に自分をアピールする上で大事かもしれない。
しかし、もっと本質的に大事なことがある。それは、「何事にも全力で取り組む姿勢」だと思う。3つ例を挙げたい。
部活の新人勧誘ポスタを描く
春休み中に描くことになるので、誰も気乗りはしない。しかし、この役割を引き受ける。構想を練る、下絵を作る、色を付ける、仕上げをする。作業をしているうちに楽しくなり、自分の作品が出来上がる喜びを味わう。この過程で美術の力が自然に付いている。ポスタは誰の作品なのか、先生や生徒の間で自然に共有される。
部活の準備を率先して行う
部活の始まりは午後4時頃だろう。上級生になったら、15分早く行き、率先して準備をする。部活の顧問は(もしかすると)4時半頃に来るので見ていない。部長やそれを取り巻く部員は、顧問が遅れて来るのを良いことに4時頃登場するかもしれない。それでも率先して準備をする。なぜか中学校の誰かはちゃんと見ている(後輩が一番見ている)。そして、毎日毎日の地道な行いは学校の成績に自然と反映される。
中1生も少し早く来て上級生を手伝いたい。その上級生の姿から学ぶことは多い。
文化祭の発表に向けて本気で取り組む
人権、国際平和、環境などのテーマが与えられる(毎年、学年ごとにほぼ決まっている)。新年早々からどんな発表をするか構想を練り始める。世の中の動きを感受するアンテナが自然と高くなる。この過程で国語と社会の力が付いてくる。
夏休み中、本気でプレゼンを準備する。この過程でプレゼンの力が付く。最終的に代表に選ばれなくても、担任の先生にはその熱意が伝わる。新中1生は、夏休み前から意識したい。
他にもいろいろあると思う。困っている仲間がいたら、手を差し伸べる。良いことをしようとしている仲間がいたら、積極的にサポートする。先生達はここを見ている。
生徒会役員や学評にならなくても、中学校の先生にとって印象深い生徒になっている。学校の成績では、あと少しで3から4、4から5というところに壁がある。何事にも全力で取り組む生徒は、成績を上げるために行動しているわけではないのに、この壁を自然に突破していく。