今回は、東京都立大学の一般推薦入試を見ていきたい。
学校推薦型選抜の概要
同大学の学校推薦型選抜には以下の種類がある。
一般推薦入試
指定校推薦入試
高校特定型特別推薦入試
都立工科高校等特別推薦入試
今回は取り上げない3つの推薦入試について簡単に触れておきたい。
指定校推薦入試(募集人員188人)は、同大学の指定校が推薦する生徒のための入試制度であり、合格率100%である。従って、指定校内での競争になる。
高校特定型特別推薦入試の募集人員は27人(内、経済経営学部が20人)、都立工科高校等特別推薦入試の募集人員は4人であり、募集人員は少ない。
一般推薦入試の概要
日程:
出願期間:11月1日〜4日
第1次選考結果発表:11月17日
第2次選考:11月25日〜28日
(学科によって日が異なる)
合格発表:12月18日
人文社会学部人間社会学科は大学入学共通テストが課されるため、合格発表は2月13日。
出願書類:
調査書
推薦書
志望理由書
活動報告書
活動報告書は、中学時代から現在までに熱心に取り組んできたこと(部活動、ボランティア活動、国際交流など)について記入するものである。
推薦基準:
今回は、理学部とシステムデザイン学部機械システム工学科を取り上げる。
<理学部>
- 自然科学に対する強い興味と旺盛な向学心を有する者
- 学力、人物とも優秀である者
尚、外国語(英語)、数学、国語、理科、地理歴史及び公民の評点平均が4.0以上であることが望ましい。
調査書の備考欄に6教科の評点平均を記載する旨の指示があり、実質的には4.0以上が要件になると思われる。
<システムデザイン学部機械システム工学科>
- 科学技術に対する強い興味と旺盛な向学心を有する者
- 以下の科目の評点平均が4.0以上
数IA、数IIB、数III
物理基礎、物理
数学・物理の成績が良ければ狙える。
推薦者数:
各高校につき、各学科に推薦できるのは1人。
指定校の場合、指定校推薦入試の校内選考次点の生徒が選ばれるのではないかと思う。
第1次選考:
出願書類による書類選考。合格者数は募集人員の約3倍とする。
活動報告書がポイントになると思う。
第2次選考:
小論文及び面接。
生命科学科の場合、探究活動、研究活動、部活動、行事、生徒会活動等(学校外での相当する活動を含む)において、自発的に中心的な役割を果たした経験を有することが重視される。
実質倍率3倍で、タフな戦いだ。
所感
高校での成績が良く(少なくとも数学・理科の成績が良く)、一般推薦を受けられるのであれば、東京都立大学の一般推薦入試は有力な選択肢になると思う。重要となるのは、高校での学習や部活動などに全力で取り組んだかどうかである。そうでないと、推薦は受けられない。
一方には、高校での勉強や部活動などはほどほどにして、大学受験に向けた勉強を進めていく生徒Aがいる。他方には、高校での勉強や部活動などに全力で取り組む生徒Bがいる。これは戦略的にどちらを選ぶかということではなく、生徒の特質が自然にどちらかを選ばせるのだと思う。できるだけ偏差値の高い大学に行くことがゴールであれば、生徒Aが生徒Bに勝るかもしれない。しかし、これからの社会は、生徒Bを求めていると思う。