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高1で知る!横浜国立大学都市科学部の入試制度〜システム全体を考える環境リスク共生学科

 横浜国立大学都市科学部フォーカス編もいよいよ最終回だ。今回は、環境リスク共生学科の一般選抜と総合型選抜の内容を見ていきたい。

 

環境リスク生学科が求める学生像

 環境リスク共生学科が求める学生像は以下のとおり:

「複雑で多様化した環境リスクに対し、ヒトから都市、自然生態系、地球までのシステム全体を視野に入れた知識展開力を身に付けたい人」

「・・・・・、自然環境と社会環境のリスクを科学的に捉える数理的思考力と、ヒト・社会と対話できる社会科学的思考力を併せ持つ文理融合的素養を身に付けたい人

「都市に恵みや災いをもたらす自然システムや都市や地域に潜む環境リスクを予測・評価・分析し、リスクと共生した持続的発展に貢献できる実践力を身に付けたい人」

 

一般選抜(前期)

募集人員:
30人(全募集人員50※)
※外国人留学生向け入試制度を除く

 

大学入学共通テスト利用教科・科目:
国語 200点
地理歴史・公民 100点
理科2科目 200点
数学2科目 200点
外国語(英語) 200点
 計900点

 5教科7科目が典型的なパターンになる。理科は、物理、化学、生物、地学から2科目を選択する。

 

個別学力検査:

数学(150分)450点
理科2科目(150分)450点
英語(90分)300点
 計1,200点

 

配点:
 共通テスト900点(42.9%)、個別学力検査1,200点(57.1%)の合計2,100点。科目ごとの配点割合は、数学31.9%、理科31.9%、英語23.8%、その他12.4%。

 

Aさん(SSHで学ぶ女子高生):
 同じ学部なのに、都市社会共生学科は文系、環境リスク共生学科は理系ということですね。

DT:
 入試制度を見ると、そうなりますね。

 

一般選抜(後期)

※一般選抜(前期)との相違点のみ記載。

募集人員:
10人(全募集人員50)

 

大学入学共通テスト利用教科・科目:
国語 100点
地理歴史・公民 250点
理科2科目 350点
数学2科目 100点
外国語(英語) 300点
 計1,100点

 一般選抜(前期)と配点がかなり違う。数学は個別学力検査で課されるので、共通テストの配点は削られる。

 

個別学力検査:
数学(150分)450点
小論文(90分)200点
 計650点

 

配点:
 共通テスト1,100点(62.9%)、個別学力検査650点(37.1%)の合計1,750点。科目ごとの配点割合は、数学31.4%、理科20.0%、英語17.1%、その他31.5%。

 数学の難易度は前期より高くなるが、配点割合は下がる。全体的には、文理融合型の学部の色合いが強くなる。

 

総合型選抜

募集人員:
10人(全募集50)

チェックポイント①
募集人員は全体の15%以上か

 20%と高い。環境リスク共生学科は総合型選抜にも力を入れている。

 

日程:
出願期間:9月中旬
第1次選抜合格者発表 10月25日
第2次選抜 11月18日
同合格者発表 11月29日
ー共通テストー
最終合格者発表 2月13日

チェックポイント②
短期決戦型の日程になっているか

 年を跨ぐ日程なので、短期決戦型ではない。

 

出願要件:
 特になし。

チェックポイント③
出願要件は具体的に定められているか

 出願要件が定められていない。ただ、都市社会共生学科と比べると、共通テストの配点が大きいので、国公立大学が第1希望の受験者しか狙えない。

 

共通テスト利用科目:

国語 200点

地理歴史・公民(1科目)250点

数学(数IA及び数IIB)450点
理科(2科目)350点

外国語(英語)300点
 計1,550点

 一般選抜よりも配点が大きい。

 

第1次選抜:

 提出書類による書類選考。提出書類は、自己推薦書(1,000字程度)、調査書などである。自己推薦書には図を入れることができる(文字としてカウントされない)。

 

第2次選抜:

 実習による選考。実習では、実際の研究材料や資料、データに基づき、自分の考えを10分程度でまとめたうえで発表し、その後に質疑応答を行う。

10分程度でまとめるということなので、発表やその後のディスカッションを通じて人物を見る要素が大きいかもしれない。

 

選考方法:
 第2次選抜の成績及び共通テスト成績により、最終合格者を決定する。

 

チェックポイント④
共通テストの利用目的は限定されているか

 限定されていない。

チェックポイント⑤
配点割合又は重視するポイントが明確になっているか

 配点割合は明確になっていない。但し、共通テストの成績が重要なのは明確である。※もし実習で、自分の考えをまとめる時間が1時間だと、合否は読めなくなる。

 

Aさん(SSHで学ぶ女子高生):
 総合型選抜については、5つのチェックポイントのうち、2つを満たしているということですね。数学と理科が得意なら一般選抜、共通テストの得点率とプレゼンが強みなら総合型選抜に向いているのではないでしょうか。

DT:
 そうですね。共通テストの利用目的がもう少し限定されると良いですけどね。いずれにしても、高校時代に文系科目、理系科目の両方をよく勉強した生徒が向いている学部だと思います。