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大学入学共通テストは二日間にわたるタフな戦い 後編

 2024年度大学入学共通テスト(以下、共通テスト)は二日目を迎えた。現在時刻は朝6時12分。初日の地理歴史・公民、国語、英語の難易度は概ね昨年並だったようだ。さて、今日の理科と数学はどうなるか。とにかく応援するしかない。

 今年の受験生はタフな戦いの真っ只中であるが、今回は来年度の共通テストの変更点を見ていきたい。

 

2025年度共通テストの変更点

 10年に一度改定される新学習指導要領が2022年度から高校に導入され(高校1年生に対して実施)、現在の高校2年生は新学習指導要領に基づく初めての共通テストを受ける。新学習指導要領のキーワードを1つ選べば、「思考・判断・表現力」になり、共通テストではその能力を問うことになる。

 

国語の試験時間が10分延長

 現代文の大問が2問から3問に増え、試験時間が80分から90分に延長される。

 大問3問はきつい。

 

地理歴史・公民の科目変更

「地理B」→「地理総合、地理探究

「日本史B」→「歴史総合、日本史探究

「世界史B」→「歴史総合、世界史探究

「倫理、政治経済」→「公共、倫理

          「公共、政治経済

 

 地理歴史・公民から2科目選択する場合の制約条件が少し変わるようだ。「探究」という言葉が示す通り、地理や歴史に関わる事象を「多面的・多角的に考察、構想する過程を重視する」とのことである。

 今年の共通テストよりも問題が難しくなると思う。そうでないと、高校の履修科目名に「探究」を付けた意味がない。

 

数IIBから数IIBCへ、試験時間が10分延長

 数学①(数IA)は変更なし。数学②が数IIBから数IIBCに変更となり、試験時間は60分から70分に延長される。

 数学Cは、ベクトル、平面上の曲線、複素数平面の3項目である。わざわざ加わったのだから、2025年度入試では必ず出題されるだろう。

 

「情報」の新設

 情報が新たに加わる。試験時間60分。 

 

 国立大学受験は6教科8科目が標準になり、試験時間は合計80分増加する。

 

物理か生物か

 高校で理系を選択した場合、次に来る選択が物理か生物かである(化学は必須と言っていい)。2023年度共通テストでは、以下のような得点調整が行われた。

 物理素点70点→70点
 化学素点70点→76点
 生物素点70点→80点

 物理の平均点より化学・生物の平均点が低いために行われる措置である。受験者平均点は、物理63.39点、化学54.01点、生物48.46点である。

 

 共通テストの理科1科目の10点差は、通常の配点パターンであれば、共通テスト得点率で1.11%に相当する。共通テストで高得点を取った順に合格者とするタイプの学校推薦型・総合型選抜を受験する場合は、少し気になる差である。

 

 物理か理科かの選択は、行きたい学部学科で決めるべきである。工学系なら物理、生物系なら生物。しかし、生物と工学の融合領域に関心がある場合は相当悩むことになる。

 

 北海道大学と筑波大学の総合選抜(1年次に学部を決めない仕組み)は、理系学部のどの学科が自分に合っているかを考えたい人に向いていると思う。

 

高校受験生は3年後に共通テストを受ける

 我が子(娘)は1ヶ月後に高校入試本番を迎える。現在の中学3年生(高校受験生)が3年後に共通テストを受けることが信じられない。あっという間じゃないかと思う。