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東京外大の数学2科目必須化は 公立トップ校の受験生に影響を与えたか

 2023年入試で、東京外国語大学が数学2科目を必須化した(大学入学共通テストの数IAと数II Bを利用)。同大学の受験生は大幅減になったとのこと。これは、早稲田大学政治経済学部の数学必須化(2021年入試)と同じ流れなのだろうか。

 

 表向きの理由としては、言語学のような分野でも統計解析が必要になってきたことが挙げられている。さて、裏の理由(真の狙いといっても良い)が難しいというか、推察すらできない。一橋大学との統合を想定しているのだろうか。

 

都立・県立のトップ校の受験生に影響を与えたか

 中央線沿線の都立トップ校と神奈川県の進学重点校3校を選び、2022年入試、2023年入試の東京外大と一橋大学の現役合格者数を調べてみた結果が以下である。

 

(都立)

 国立   (外大)5人 → 7人 

      (一橋)10人 → 15人


 西    (外大)4人 → 6人 

      (一橋)13人 →  15人


 立川   (外大)5人 → 9人 

      (一橋)8人 →  9人


 八王子東 (外大)6人 → 4人 

      (一橋)3人 →  6人


 新宿   (外大)3人 → 7人 

      (一橋)7人 →  5人


 国分寺  (外大)7人 → 3人 

      (一橋)1人 → 2人 

 

(神奈川県立)

 川和   (外大)5人 → 4人

      (一橋)4人 → 6人


 柏陽   (外大)1人 → 3人 

      (一橋)9人 → 2人


 厚木   (外大)3人 → 3人 

      (一橋)5人 → 2人

 

 上記の高校の2022年→2023年の合格者数推移をみる限り、顕著な変化は起きていない。東京外大と一橋大学の間でのシフトの動きも見えない。東京外大の受験者数は大幅減となったが、公立トップ校で同大学を目指す生徒への影響は少なかったようだ。国公立大学進学を前提にした教育課程表を組んでいる公立トップ校の場合、数IIBが必修になる。また、数IIBが同大学の合否を分ける科目にはならないので、公立トップ校の受験生なら対応可能であったのだと思う。

 

東京外大の魅力は変わらない

 AI時代においては、言語学や比較文化論のような分野を本気で勉強する価値が高まっていくかもしれない。AI時代であるからこそ、人間の感性が大事になってくると思う。文系分野では、東京外大に魅力を感じる。学部生は1000人いないし、希少価値もありそうだ。

 

補記:東大、一橋、東京外大の数学試験(文系)

大学入学共通テスト

東大、一橋大
 数IAは必須
 数IIB、簿記・会計、情報関係基礎から1科目選択

 

東京外大
 数I 、数IA から1科目選択
 数II、数IIB、簿記・会計、情報関係基礎から1科目選択
 (これが2023年入試で加わった)

 

ニ次試験の数学出題範囲と配点率
※配点率=数学配点/総配点

東大
 数IA、数IIB(Bは数列、ベクトルから)
 試験時間100分で配点率18.2%

 

一橋大(商学部の場合)
 数IA、数IIB(Bは数列、ベクトルから)
 試験時間120分で配点率34.7%

 

東京外大
 なし