公立ルートを行く

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税務調査官 窓際太郎はマーロウのようにカッコいい

 「税務調査官・窓際太郎の事件簿」をご存知だろうか。今は絶滅危惧種になってしまった2時間ドラマで、1998年から2020年にかけて全35作がTBSで放送された長寿作品である。

 

 東京国税局の敏腕査察課長であった窓辺太郎(主演は小林稔侍)は、ある事件で大左遷され、今は世田谷南税務署のヒラ署員として働いている。島崎統括官(演じるのは渡辺いっけい)からは苗字をもじって「窓際、窓際」とからかわれている。しかし、本当の姿は東京国税局の陰の調査官であり、上司の森村部長(演じるのは北村総一朗)の命令を一度受けると、地方の税務署に「出張」と称して潜入し、地元政治家の不正(汚職)を暴き出すという痛快ストーリーである。

 

 もし自分が中学生か高校生の時にこの作品に出会っていたら、東京国税局を目指したかもしれない。己の信念に従って生きる様は、見た目は違うが、私立探偵のフィリップ・マーロウのようである。窓辺太郎は不正に対しては敢然と立ち向かい、立場の弱い人々にはとても優しい。「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない。」このマーロウのセリフは窓辺太郎の生き方そのものだ。税務調査官を目指すなら、一度は見ることをお勧めしたい。もし親子で見たら、子供はバカにしながらこのドラマを見つつ、窓辺太郎の正義感に何かを感じるはずである。

 

 実際に東京国税局に入ったら、まぁいろいろ苦労やつまらないこともあると思う。しかし、長いキャリアの中で、窓辺太郎のように自分の信念を貫き、不正を正す瞬間は訪れるだろう。

 

 ところで、窓辺太郎は中央大学法学部卒である。ブログのタイトルに反するようで恐縮だが、法律の世界に進むなら、中央大学法学部はいい選択だと思う。

 

補記:

 2023年8月、政府の洋上風力発電事業を巡る収賄容疑で、東京地検特捜部が自民党の秋本真利衆議院議員の事務所と自宅の家宅捜査に入ったと報じられた。このニュースで「窓際太郎」ファンならすぐ思い出すのが、岡山県倉敷市を舞台にした第26作である。私の中では最高傑作の一つだと思っている。