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九州大学共創学部の受験戦略について考える

 九州大学共創学部は2018年4月に新設された学部である。2024年2月に東京大学がCollege of Design(仮称)構想を発表したが、文理融合型教育で地球規模の課題を解決する人材を育成するという試みは、九州大学共創学部がすでに始めている。

 

 文理融合型教育というとカッコいいんだけど、結局中途半端になってしまうんじゃないか、という懸念がどうしてもある。大学入試で文系と理系のどちらに属するかといえば、完全に文系である。九州大学共創学部の一般選抜の内容は以下の通りである:

 

大学入学共通テスト(2024年度)

国語、数IA・数IIB、英語(外国語)、地歴公民・理科から2科目

 文系パターン、理系パターンのどちらでもOK。

 

個別学力検査

数学(数IA、数IIB)300点(120分)
英語400点(120分)
小論文300点(180分)

 

 数学に数IIIは入らず、理科は課されない。合否を左右するのは英語と小論文になるのではないかと思う。理系の受験生が小論文対策をすれば受験は可能だが、このタイプの受験生は少ないと思う。

 

 文理融合型といっても文系でしょ、という感じがするんだけど、やっぱり魅力はある。娘が目指している方向に一致しているのである。海外留学等が義務付けられているのも良い。

 

受験戦略(娘の場合)

 一般選抜の小論文は、他の科目と違って「合格ライン」が見えない。自分のような打算的な人間からすると、投資効果が測定できない試験科目である。自分のベスト校戦略(合格ゾーンのど真ん中で合格する)が全く取れない。従って、娘には勧めない。

 

 学校推薦型選抜(募集定員10人)と総合型選抜I(募集定員20人)があり、どちらかを選ぶとすれば、総合型選抜Iになる。2024年度入試の場合、2023年10月下旬に行われた2日間の短期決戦(小論文、グループ討論、個人面接)で結果が出る。

 

 総合型選抜を受験する場合、実は文系で受験しても他の受験者との差別化が難しい。高校で理系科目をしっかり履修していることをアピールする方が差別化できる。文理融合型教育を目指す学部なので、これが有効な戦略になりそうだ。

 

 九州大学共創学部の総合型選抜Iは、娘にとって有力な受験候補の一つになる。実際に受験するかどうかは、娘が決めることなので全然わからない。親としては、こういう学部と入試制度があることを伝えるだけである。