公立ルートを行く

公立中学校で3年間を過ごし、高校受験を経験して、自分のベスト大学に進学する教育ルートの魅力を発信します

MARCHに合格できるなら 横浜市大・東京都立大の理系学部を目指す時代が来た

AI時代は理系が主役

 7月21日に、文部科学省が3000億円基金で理工系学部新設などを支援する111校を選定したとのニュースが報道された。AI時代が本格到来した今、不足するデジタル人材を育成するのが狙いのようである。

 

 AI時代の主役として生きていくために、「物事を多面的に観察し、主体的・創造的に考える力」を子供には身に付けてもらいたい。そのためには、やはり理系に進んだ方が良いと思う。文系科目が不要といっているのではない。国語、社会、英語は最重要科目だ。しかし、高校で習う物理、化学、生物を習得しなければ、物事を多面的に観察する能力を得るには至らないと思う。

 

 我が子が文系に進みたいと相談してきたら、教職、公務員、士業(弁護士、公認会計士)、あるいは芸術分野(文学、美術、比較文化論など)を勧めるつもりである。「無難そうだから」という理由で経済学部・商学部に進んで大手企業に就職するルートは勧めない。

 

横浜市大&東京都立大の理系学部をベースラインに考えたい

 私は、神奈川県在住であれば、横浜市立大学と東京都立大学の理系学部がAI時代に目指したい大学のベースラインになると考えている。科研費採択件数の大学ランキングを見れば、両大学の実力がわかる。MARCHに合格できるなら、横浜市大&東京都立大の理系学部を目指す時代が来た。これが本ブログで伝えていきたいことの一つである。

 

難関大学を目指さない

 難関大学の定義についてそれほど関心はないが、公立ルートの高校生が現役で合格するのが難しい大学は、東大、東工大、旧帝(理系)、国公立大学医学部(首都圏)あたりになると思う。このレベルになると、神奈川県の学力向上進学重点校(以下、進学重点校)で少なくともトップ5%以内に入る必要がある(横浜翠嵐は別)。公立ルートの子は、勉強も部活動もバランス良く頑張るのが基本スタンスだと思うので、難関大学は原則避けて、上位の大学としては旧帝に並ぶ位置にある筑波大学(理系)を狙い目にしたい。進学重点校で上位10%以内に入れば、十分に届く目標になる。

 

 早慶(理系)は、難関大学と同列に捉えた方が良い。東工大と一橋大学の合格者の高校ランキングをみると、進学重点校と東京都の進学指導重点校が上位に名を連ねていることがわかる。難関私立中高一貫校の受験生の中には、東大がやや厳しくても、東工大、一橋大へとランクをさげずに東大を受験する(併願先は早慶)ケースが多いのではないかと推察する。進学重点校や進学指導重点校のトップ5%以内の子で理系志望であれば、実は東工大は狙い目になる。

 

難関大学が必要な職業分野は限られている

 「それでも難関大学を目指したいなぁ」という人は当然いるだろう。しかし、難関大学の学歴が必要な職業分野は限られていると思う。具体的には以下の職業分野になるだろう。

 

 業界トップ企業の研究開発職
 外資系コンサル・外資系金融社員
 企業法務専門の弁護士
 官僚(上級キャリア) 
 大学病院の医者

 

 上記の職業分野に進みたい場合は、難関大学を目指した方が良い。もしそうでないなら、難関大学を目指す時間的・精神力な労力は過大なものになると思う。

 

自分が本当に関心を持つ分野に進むみたい

 自分が本当に関心を持つ分野に進んでいく方が楽しい人生になる。魅力のある中堅企業やベンチャー企業の研究開発職、職場のハラスメント問題を専門とする弁護士、インバウンド誘致の施策を考える地方公務員、地域に根ざした開業医など、やりがいや魅力のある職業分野はいくらでもあると思う。新しい価値を提供するビジネスを起業するのだっていいのだ。

 

 理系に進むのであれば、できればSSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定の公立高校に入り、探究学習を通じて、自分が関心を持てる分野を見つけたい。そして、大学でその分野の研究をするのが理想的である。