公立ルートを行く

公立中学校で3年間を過ごし、高校受験を経験して、自分のベスト大学に進学する教育ルートの魅力を発信します

横浜サイエンスフロンティアは高校受験でこそ狙いたい

 横浜サイエンスフロンティア高校は、神奈川県の公立中高一貫校(横浜市立)であり、また高校から入学できる学校である。2023年入試の学力検査合格者平均は432.8点*1で、学力向上進学重点校である厚木高校や川和高校を上回った。また、2017年4月に開校した附属中学の第1期生がいよいよ大学受験を迎え、2023年大学合格実績の面でも躍進した。同校の存在感は一段と増したと思う。

 

高校から入学できる公立中高一貫校2校

 横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校は、附属中学入試の合格者80人と高校入試の合格者158人で構成され、高入生の割合は約66%である。この学校は高入生がメインである。

 横浜市立南高校は、附属中学入試の合格者160人と高校入試の合格者38人で構成され、高入生の割合は約19%である。この学校は中入生がメインである。

 

国公立大学現役合格実績

学校HP掲載情報(2022年→2023年)

東大 1人→4人
東工大 6人→8人
旧帝 10人→15人
医学部 6人→6人

 

 難関国公立大学現役合格者数の増加は、附属中学第1期生の大学合格実績が加わったことによるものと推察する。

 

大学合格実績を評価する二つの指標は以下のとおり:

国公立大学現役合格率 42%
難関国公立大学現役合格率 15%

 

 国公立大学現役合格率は柏陽高校と同水準、難関国公立大学現役合格率は湘南高校とほぼ同水準である。

 

以下の記事を参照:

www.dtline2002.com

 

学校推薦型選抜・総合型選抜での合格も凄い

 「2023年度学校案内」によれば、学校推薦型選抜及び総合型選抜による合格者は、国公立大学25人、私立大学26人である。国公立大学については、東工大4人、東北大3人、筑波大2人、新潟大(医学部)1人と難関大学がずらりと並ぶ。

 

 また、理数系教育の高大連携プログラムである「横浜市立大学チャレンジプログラム」により、同大学に9人が合格している。恐らく、この中に医学部合格3人が含まれている。

 

学校概要

 2010年から3期連続で、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)、2022年からSSH科学技術人材育成重点枠(全国で10校)に指定されている。また、SGH(スーパーグローバルハイスクール)指定も受けている。

 

 高校2年時に海外研修(マレーシア)があり、全員参加である。また、校内選考で選抜された生徒がマレーシアの学生と共同研究チームを作り、約1年間課題研究に取り組むプログラムがある。2週間に一回のオンライン会議で進捗を確認しながら、7月と1月に現地訪問する。高校生でこんなプロジェクトを行うとは凄い。

 

 この他にもスーパーアドバイザー講演(科学技術分野のスペシャリストによる講演)など、同校の魅力は尽きない。

 

高校入試について

 2024年入試選考基準は372型(内申3、学力検査7、特色検査2)を採用する。内申については、数学・理科・英語の3教科の評点を2倍カウントする。また、学力検査では数学・理科の2教科の得点を2倍カウントする。

 

 内申では、数学と理科の評点5が大前提になるだろう。

 

横浜サイエンスフロンティア高校を受験するかどうかの判断

 この学校に文系という概念は基本的にないと思う。将来理系に進む強い意志があるなら、理想的な学校である。学校推薦型選抜・総合型選抜での国公立大学合格ルートも魅力的である。

 

 附属中学からスタートした生徒の優秀さには驚くことになるのかもしれない。高倍率の中学入試で合格を勝ち取った地頭抜群の生徒達である。しかも、中学時代に100分授業を普通にこなしているし、実験環境などにも慣れている。

 

 しかし、この学校は高入生が主体なので、同校に魅力を感じるなら、迷わず進めば良いと思う。

 

補足:我が子の場合

 我が子(娘)は、高3で文系・理系に分かれることを高校選択の要件にしているようである。そもそも、文系・理系に分けることが「おかしい」と考えている。

 

*1:2024年度「神奈川県高校受験案内」(声の教育社)掲載の数値。