1月31日、2024年度の神奈川県公立高校倍率(志願変更前)が発表された。普通科の志願者数は33,777人で、前年度比▲640人(▲1.9%)である。
志願変更期間は、2月5日(月)午前0時から2月7日(水)正午までとされている。大きな流れとしては、トップ2校(横浜翠嵐、湘南)から重点校へのシフト、重点校からエントリー校へのシフト、エントリー校から上位校へのシフトが起きる。
今回は、グループごとに志願者数を見ていきたい。
グループごとの志願者数
<トップ2校>
横浜翠嵐 826(+35)/2.30倍
湘南 656(▲18)/1.83倍
計1,482(+17)
両校を合わせた志願者数は昨年並み。例年通りだと、志願変更で約180人減少(重点校へシフト)する。
<重点校5校>
柏陽 445(▲22)/1.39倍
厚木 516(+40)/1.44倍
川和 407(▲26)/1.28倍
横浜緑ケ丘 489(+14)/1.75倍
多摩 470(▲106)/1.68倍
計2,327(▲100)
※小田原高校の志願者数は不明。
多摩の志願者数の減少が目に付くが、これでも倍率1.68と高い。例年通りだと、横浜翠嵐・湘南から約180人が流入し、エントリー校に300人以上が流出する。
<エントリー校9校>
希望ケ丘 460(▲80)/1.28倍
横浜平沼 431(+55)/1.35倍
光陵 359(▲28)/1.29倍
横須賀 418(+79)/1.50倍
鎌倉 532(+25)/1.67倍
茅ケ崎北陵 356(▲47)/1.28倍
平塚江南 365(+39)/1.14倍
大和 445(+12)/1.59倍
相模原 344(+45)/1.23倍
計3,710(+100)
※横浜国際を除く。
希望ケ丘は80人減少した(倍率が1.28まで下がった)が、志願変更で若干増えると予想する。例年通りだと、重点校から流入する人数と同程度の人数が公立上位校に流出する。
<上位校3校>
新城 407(▲46)/1.51倍
市ケ尾 472(▲23)/1.18倍
海老名 502(▲107)/1.26倍
海老名は107人減少した。昨年の志願者数が多かった反動と、学力検査のウエイトが高い入試選考基準(37型)を採用した影響が重なったものと思われる。海老名と市ケ尾は、志願変更で受験者数は若干増えると予想する。
志願変更の大きな流れ
実際には、重点校からトップ2校に志願変更する受験生がいるかもしれないし、上位校から倍率の低いエントリー校に志願変更する受験生がいると思うが、大きな流れを推定したいので、トップ2校→重点校→エントリー校→上位校への一方向の流れが起きると単純化して考えてみる。そうすると、2023年度入試と2022年度入試では以下の流れが起きていたと考えられる。
<2023年度入試>
翠嵐・湘南→ 185人流出(12.6%)
→重点校→367人流出(15.1%)
→エントリー校→314人流出(7.9%)
<2022年度入試>
翠嵐・湘南→ 176人流出(11.6%)
→重点校→344人流出(13.8%)
→エントリー校→366人流出(8.6%)
※1 括弧内の%数値は、志願変更前の志願者数に対する割合。
※2 横浜緑ケ丘と多摩は重点校、小田原はエントリー校のグループに入れた。
倍率について
受験者のうち不合格になる割合は1.4倍で28.6%、1.5倍で33.3%である。上位の学校になるほど、合格者平均とボーダーラインの差は縮まるはずである。受験校の倍率は1.5倍以下(できれば1.4倍以下)になってほしい。