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高1で知る!千葉大学理学部の入試制度

 もし、工学部と理学部のどちらかを選ぶとしたら、自分は理学部を選ぶと思う。下手の横好きだが物理愛好家である。北海道大学を取り上げたとき、地球惑星科学科にも興味を惹かれた。公立高校では、地学を学ばずに卒業する生徒が殆どだが、実は地学は面白いのではないかと思う。

 今回は、千葉大学理学部の入試制度を見ていきたい。

 

理学部の5学科

数学・情報数理学科
物理学科
化学科
生物学科
地球科学科

 工学部が別にあるので、自然科学の純度が高い。高校で習う内容の続きをやるような感じだろうか。

 

募集人員(2024年度入試)

<入試制度別>

一般選抜(前期)142
一般選抜(後期)50
総合型選抜 8
 計200

 一般選抜(後期)の募集割合は25%で、工学部(19.3%)よりは高いが、横浜国大理工学部(38.6%)、電通大(37.5%)、東京農工大工学部(35.9%)よりも低い。

 総合型選抜は、物理学科と地球科学科が実施する。物理学科は数学と物理に秀でた人材を求めているので、一般選抜とはまた違った形で学生の資質を評価したいのだと思う。地球科学科については、この分野に対する学生の関心・熱意を評価するのが目的だと思う。

 

<学科別>

数学・情報数理学科 44
物理学科 39
化学科 39
生物学科 39
地球科学科 39

 募集人員が少ない。中学校・高校の1クラスのサイズだ。

 

一般選抜(前期)

大学入学共通テスト:

 5教科7科目で配点450点。

 学科によって理科の科目選択は以下のようになる:

<数学・情報数理,生物,地球科学>
 物理、化学、生物、地学から2科目を選択。

<物理学科>
 物理(必須)と化学または生物を選択。

<化学科>
 化学(必須)と物理・生物・地学から1科目を選択。

 

個別学力検査(計900点):

 学科によって科目ごとの配点が大きく異なる。

 英語(外国語)は、英検1級または準1級合格でCSE2300以上だと10点加算される。

 

<数学・情報数理学科>
 数学600点(180分)
 理科150点(50分)
 英語(外国語)150点(80分)

 共通テストを含む科目別の配点割合は、数学51.9%、理科18.5%、英語18.5%、他(共通テストの国語、地歴・公民)11.1%で、数学が合否を決めそうだ。試験時間180分は東工大と同じ。

 この学科は一番人気が高い。2023年度入試では、募集人員29人に対して受験者165人であった。

 

<物理学科>
 数学300点(120分)
 物理300点(100分相当)
 化学100点(50分相当)
 英語(外国語)200点(80分)

 科目別の配点割合は、数学29.6%、物理25.9%、化学11.1%、英語22.2%、他11.1%で、数学、物理、英語が重要になる。

 

<化学科>
 数学250点(120分)
 化学300点(100分相当)
 物理/生物/地学150点(50分相当)
 英語(外国語)200点(80分)

 科目別の配点割合は、数学25.9%、化学25.9%、理科14.8%、英語22.2%、他11.1%で、数学、化学、英語が重要になる。

 

<生物学科>
 数学150点(120分)
 生物350点(100分相当)
 物理/化学200点(50分相当)
 英語(外国語)200点(80分)

 科目別の配点割合は、数学18.5%、生物29.6%、理科18.5%、英語22.2%、他11.1%で、数学の配点割合が低い。

 

<地球科学科>
 数学250点(120分)
 理科400点(100分)
 英語(外国語)250点(80分)

 科目別の配点割合は、数学25.9%、理科(2科目)37.0%、英語25.9%、他11.1%で、バランス良く得点する必要があるようだ。

 

 共通テストボーダー得点率(河合塾)は、69%(地球科学科)〜73%(数学・情報数理学科)。共通テストの配点割合は33.3%なので、共通テストで6%のアドバンテージがあっても、入試得点ベースでは2%に縮小する。合格者の平均点と最低点の差は4.07%(物理学科)〜5.40%(化学科)。

 

一般選抜(後期)

 共通テストは5科7科目(450点)。個別学力検査は、それぞれの学科で一番重要な1科目になる。

数学・情報数理学科 数学300点(180分)
物理学科 総合テスト300点(150分)
化学科 化学200点(100分)
生物学科 生物450点(100分)
地球科学科 地学300点(150分)

 入試倍率は3.4〜5.9倍(生物学科が一番高い)。得意分野のある受験生は狙えるかもしれない。

 

総合型選抜(共通テストなし)

日程:

 9月下旬が出願期間、10月下旬に第1次選抜の合格者発表。11月中旬に第2選抜と第3次選抜を同日に行い、11月下旬に最終合格者発表。

 短期決戦型の日程である。

 

募集人員:

物理学科4人、地球科学科4人の計8人。

 もっと募集して欲しい。

 

選抜方法:

 第1次選抜は提出書類(調査書、自己推薦書)による書類選考。第2次選抜は総合テストを課す。第2次選抜合格者に対して面接を行い、総合判定により合格者を決定する。

 

2023年度入試結果:

<物理学科>
 募集人員4人に対して志願者13人、合格者ゼロ。

<地球科学科>
 募集人員4人に対して志願者9人、合格者3人。

 物理学科は厳しい。それに対して、地球科学科はチャンスがある。高校で地学を勉強する人は非常に少ないのだから。

 

まとめ

 就職を考えると、理学部よりも工学部なのかもしれない。しかし、理学部には「自然科学の真理を探究する」魅力がある。理系のバックグラウンドを持って、研究開発職以外の道を進むなら、理学部は魅力的だと思う。