横浜国立大学は、学校教育法(1948年4月施行)に拠り、1949年に設立された新制国立大学である。その歴史は、1876年(明治9年)に設立された横浜師範学校にまで遡る。元々、小学校教員養成所としてスタートした。
教育学部、経済学部、経営学部、理工学部、都市科学部の5つの学部で構成されている。コンパクトな大学で、横浜市保土ヶ谷区に一つのキャンパスしかない。
今回は、2017年に新設された都市科学部にフォーカスする。
文理融合教育で都市問題を科学的に学ぶ
DT:
Aさんは大学ではどの学部に進みたいのですか。
Aさん(SSHで学ぶ女子高生):
私は文系・理系に分かれているのはおかしいと思っていて、何かそういう制約のない学部に進みたいと考えています。
DT:
そうでしたね。横浜国大の都市科学部はまさに文理融合型の学部なので、自分で調べて見ると良いと思います。
Aさん:
へぇ、そうですか。どういう学部なんですか。
DT:
都市社会共生学科、建築学科、都市基盤学科、環境リスク共生学科の4つの学科からなります。都市基盤学科は土木工学です。都市社会共生学科と環境リスク共生学科がまさに「文理融合教育で都市問題を学ぶ」にぴったりの学科だと思います。
Aさん:
名前から想像できますね。文系でも理系でもないということですか。
DT:
どちらの学科も文理融合領域に焦点を当てていますが、文系・理系で分けるなら、都市社会共生学科は文系、環境リスク共生学科は理系になると思います。都市社会共生学科では社会学や歴史の知識をベースに都市問題を考えるのに対し、環境リスク共生学科の方は科学的な知識・調査手法を使って都市の環境問題を考えるのではないかと思います。
Aさん:
面白そうですね。新設学部という点も魅力的です。卒業生はどういう分野に進むのですか。
DT:
都市社会共生学科の卒業生の就職先を見ると、民間企業に就職する人が71%、公務員になる人が14%、大学院等に進学する人が12%、その他3%です。JTB、NHK、横浜市役所、神奈川県庁などです。環境リスク共生学科の卒業生については、約7割の学生が大学院に進学します。就職先は自動車、ゼネコン、製薬、コンサルティングなど様々です。
Aさん:
私がもしこの学部に進むとしたら、将来は環境に優しい都市開発や伝統文化の保護などに取り組みたいです。文化・芸術分野のイベントをプロデュースするようなこともしてみたいですね。
都市科学部の入試制度
募集人員(2024年度入試):
一般選抜前期/同後期/総合型選抜
都市社会共生学科 32/12/20
建築学科 40/19/7
都市基盤学科 18/12/10
環境リスク共生学科 30/10/10
Aさん:
一般選抜(後期)の募集人員は全体の21.4%、総合型選抜の募集人員は全体の18.9%を占めます。
DT:
そうですね。入試倍率と大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の得点率を見てみましょう。
<2023年度入試>
入試倍率:
一般選抜(前・後)/総合型選抜
都市社会共生学科 2.5/2.4
建築学科 5.3/10.4
都市基盤学科 1.3/2.2
環境リスク共生学科 3.3/2.5
共通テストボーダー得点率(河合塾):
都市社会共生学科 74%
建築学科 80%
都市基盤学科 78%
環境リスク共生学科 74%
共通テスト合格者平均は非公表。
Aさん:
建築学科の難易度は高いですね。でも、都市社会共生学科と環境リスク共生学科に興味があります。頑張れば狙えるかもしれません。
DT:
そうですね。次回は都市科学部の一般選抜と総合型選抜の中身を見ていきましょう。