前編では、千葉大学園芸学部の概要と一般選抜の内容を取り上げた。後編では、園芸学部の総合型選抜と園芸産業創発学プログラム選抜にフォーカスする。
総合型選抜
募集人員:
園芸学科 5
応用生命化学科 4
緑地環境学科 9
チェックポイント①
募集人員は全体の15%以上か
園芸学科7.8%、応用生命化学科12.9%、緑地環境学科13.6%で、15%基準を満たしていない。園芸学科については、園芸産業創発学プログラム選抜で6名募集するため、それを合わせると17.2%になる。
日程:
出願期間 10月中旬
第1次選抜合格発表 10月27日
面接 11月12日
第2次選抜合格発表 12月1日
ー大学入学共通テストー
最終合格発表 2月8日
チェックポイント②
短期決戦型の日程になっているか
年を跨ぐので短期決戦型にはなっていない。但し、第2次選抜は面接のみで、共通テストの利用目的が限定されるので、許容範囲である。
出願要件:
以下のいずれかを満たす必要がある:
①次世代スキップアッププログラム等、千葉大学が主催するセミナー等を修了した者
②大学、博物館、学会等の教育研究機関等が主催する理科研究又は科学技術・園芸技術に係る研究発表会・コンテスト・セミナー・社会活動において出願者個人が評価を得た者(エビデンスが必要)
チェックポイント③
出願要件は具体的に定められているか
定められている。①については、千葉県内の高校生が圧倒的に有利(他県からプログラムに参加するのは物理的に厳しい)。②については、SSH等での活動で該当するものがあれば、出願要件を満たす。
第1次選抜:
提出書類による書類選考。自己推薦書、志望理由書、調査書、志願票。
出願要件①又は②に該当する自らの経験を自己推薦書や志望理由書に上手く落とし込めるかがポイントになる。
第2次選抜:
面接。
第1次選抜のポイントと同じ。思考力や表現力も問われる。
第3次選抜:
<園芸学科・生命応用化学科>
共通テストの得点率が概ね70%に達した者。利用科目は5教科7科目(理科2)。
<緑地環境学科>
国語・地理歴史・公民・数学・理科から2科目、英語1科目。
チェックポイント④
共通テストの利用目的は限定されているか
限定されている。
チェックポイント⑤
配点割合又は重視するポイントが明確になっているか
高校時代に理科研究等で実績を残したかどうかが最大のポイントになる。共通テストは基礎学力をチェックするために利用される。
2023年度入試結果:
<園芸学部>
募集人員5人に対して、志願者6人、第1次選抜受験者6人、最終合格者1人。
<応用生命化学科>
募集人員4人に対して、志願者6人、第1次選抜受験者6人、最終合格者1人。
<緑地環境学科>
募集人員9人に対して、志願者7人、第1次選抜受験者6人、最終合格者2人。
志願者は少ない印象。選考は厳しい。
園芸産業創発学プログラム選抜
アドミッションポリシー:
募集要項の冒頭に記されている部分を抜粋する:
学内にある充実した植物工場、次世代園芸施設等を用いた教育だけでなく、国内外の園芸関連産業と連携した長期インターンシップを行うことにより、グローバルな視点で日本の園芸産業を考えることができ、かつ高度な生産および経営技術と高い課題解決能力をもったプロフェッショナル人材の育成を行う。
園芸産業および関連技術に強い関心があり、将来園芸ビジネスに関わりたい、あるいは自らビジネスを起こしたいという意欲を持ち、日本の農園芸産業の発展に強い志を持った人材を求める。
募集人員:
園芸学科 6
食料資源経済学科 4
日程:
出願期間 10月30日-31日
1次選抜 11月11日-12日
合格内定者発表 12月1日
ー大学入学共通テストー
最終合格発表 2月8日
出願要件:
英検CSEスコア1950以上(他の検定での基準あり)
1次選抜:
提出書類、模擬実習又は模擬実験(2時間)への参加、模擬講義(1時間)の受講、模擬講義に関するレポート作成(1時間)およびプレゼンテーション並びに面接により、総合判定のうえ合格内定者を決定する。
2次選抜:
共通テストで概ね70%の得点率を得た者を最終合格者とする。
理科1科目 100点
数学2科目 100点
計200点
2023年度入試結果:
<園芸学科>
募集人員6人に対して、志願者6人、1次選抜受験者4人、最終合格者3人(内、女子2)。
<食料資源経済学科>
募集人員4人に対して、志願者1人、1次選抜受験者ゼロ。
Aさん(SSHで学ぶ女子):
志願者が少ないですね。アドミッションポリシーを読むと、魅力はすごく感じますけど、覚悟がいるように思います。
DT:
半年から1年に及ぶ長期インターンシップって、どこに行くんでしょうね。覚悟というのはどの部分ですか。
Aさん:
やはり、この特別選抜に志願する時点で農業ビジネスに進むことを決心しなければならないことです。
DT:
確かにそうですね。園芸学部でも他の学科だと、職業の幅はもう少しありますからね。高1からじっくり考える必要がありそうです。
Aさん:
でも、入学者3人のうち、2人は女子というのは勇気づけられます。