公立ルートを行く

公立中学校で3年間を過ごし、高校受験を経験して、自分のベスト大学に進学する教育ルートの魅力を発信します

一浪の真のメリット

 以前に「一浪(浪人)のコスパをどう考えるか」を書いた。娘が高校に進学して、自分の書いたこの記事を読み返してみて、大筋では間違ってはいないと思うものの、最も重要なことを見落としていたことに気が付いた。

 

 一浪のメリットとして、「一浪することで合格できる大学のレベルが上がる結果、良い会社等に就職して生涯年収が増える分を経済的ベネフィットと考えるのが一般的かと思う。」と書いた。

 

 しかし、一浪の真のメリットは「高校時代に部活動など学習以外の活動にも積極的に取り組み、一浪することで現役生の時に不足した学習時間を獲得する。」ことなのではないかと思う。これは、高校生活が始まってみないと実感できない。

 

 一浪する場合、1日10〜12時間集中して勉強できることが前提になると思う。300日で3000〜3600時間になる。この時間量は大きい。

 

 本格的な人口減の時代に入り、一浪の経済的なデメリットは小さくなっている。終身雇用の時代ではないし、自分が働きたければ70歳ぐらいまで働くことができるだろう。環境の変化に順応できるしなやかさが重要になってきている。

 

 考えてみれば、高校時代に部活動などに打ち込んで楽しい青春時代を過ごし、高校卒業後に集中的に1年勉強して、自分がイメージする大学に進学するって、全然悪くない。どうしてこの20年か30年の間に現役志向が強まったのだろうか。1990年代前半から始まった「失われた20年(或いは30年)」が親や子供(受験生本人)の心理に大きな影響しているのだろうけれど。

 

 現役で希望の大学に入るのが一番だが、一浪の選択肢を最初から除外するのは勿体無い。但し、親の経済的負担(子供の一浪にかかる費用)は減らない。選択肢として持っておくために、できるだけ節約しておきたいところだ。