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高1で知る!名古屋大学の一般選抜

 今回は、名古屋大学の一般選抜の概要を見ていきたい。先ずは、募集人員の構成からスタートする。

募集人員(2024年度入試)

一般選抜(前期)1,726(82.2%)
一般選抜(後期)5(0.2%)
学校推薦型選抜 369(17.6%)
 計2,100

 一般選抜(後期)の募集人員は医学部一般枠である。学校推薦型選抜の募集人員は全体の17.6%を占める。20%には達していないが、旧帝の中では、学校推薦型選抜の募集人員がダントツに多い(次は大阪大学の174人)。

 

学校推薦型選抜の募集人員内訳

※括弧内%は学部の全募集人員に占める割合

文系4学部 110(20.2%)
情報学部 22(16.3%)
理学部 50(18.5%)
医学部 84(28.0%)
工学部 69(10.1%)
農学部 34(20.0%)
※医学部医学科は10人(10.0%)

尚、工学部の以下の学科には女子枠が含まれている:

電気電子情報工学科 6
エネルギー理工学科 3

 

 募集人員に占める割合で考えると、医学部(医学科を除く)と農学部が狙い目になる。工学部は10.1%と低く、学校推薦型選抜にはあまり力を入れていない。つまり、狭き門だと思う。

 

一般選抜の概要

 筑波大学総合選抜理系IIと東工大をベンチマークとして見ていく。

 

共通テスト得点率(合格者平均)

情報学部 79.98〜84.44%
理学部 79.4%
工学部 75.28〜79.48%
農学部 77.33〜77.67%

※情報学部の84.44%はコンピュータ科学科の合格者平均。

 

<ボーダー得点率>(河合塾)

情報学部 77〜80%
理学部 77%
工学部 75〜77%
農学部 76%

 

 東北大学の合格者平均(80%)より若干低い。筑波大学の合格者平均は開示されていない(総合選抜理系IIのボーダー得点率は73%)。東工大の場合、共通テスト成績は個別学力検査の時点でリセットされる(ボーダー得点率は79〜81%)。

 

個別学力検査の試験時間

数学150分、理科150分、英語105分
国語45分
※情報学部は国語なし

筑波大学の総合選抜理系II
数学120分、理科120分、英語120分

東工大
数学180分、理科240分、英語90分
※理科は二日目に実施

 名古屋大学の数学と理科は150分。東工大と筑波大の中間に位置している。

 

主要3科目の配点割合
(共通テストを含む)

<情報学部コンピュータ科学科>
 数学31.8%、理科31.8%、英語22.7%

<理学部>
 数学29.8%、理科29.8%、英語21.3%

<工学部>
 数学31.6%、理科31.6%、英語21.0%

<農学部>
 数学24.5%、理科32.7%、英語24.5%

 

 筑波大学総合選抜理系II
 数学29.1%、理科29.1%、英語29.1%

 東工大
 数学40%、理科40%、英語20%

 

 名古屋大学の主要3科目の合計は100%にならないが、残りは共通テストの国語、地歴・公民である。15%ぐらいあるので、ばかにならない。我が子(娘)の特徴を考えると、農学部は英語の配点割合が高いので、将来狙えるかもしれない。

 

共通テストと個別学力検査の配点割合

情報学部 共通45% 個別55%
理学部 共通38.3% 個別61.7%
工学部 共通31.6% 個別68.4%
農学部 共通36.7% 個別63.3%

 

筑波大学総合選抜理系II 
共通37.5%、個別62.5%

東工大 個別100%

 

 外形標準的に判断すると、名古屋大学の一般選抜の難易度は、東工大、東北大よりは若干低く、筑波大学よりは高いのではないかと思う。こうして比べて見ると、理系志望で英語が得意な受験生は筑波大学が有利になることがよくわかる。

 

 次回は、いよいよ学校推薦型選抜を見る。