名古屋大学は、地方の旧帝の中では、神奈川県在住の親が安心して娘に行かせたい大学である(合格できればの話)。新横浜から名古屋まで、のぞみで1時間20分だ。私は、若い頃に名古屋に住んでいたことがある。渋谷や六本木で遊んでしまってから行くと刺激が足りないだろうが、そうでなければ、とても住みやすい街だと思う。
名古屋大学は、20世紀後半の素粒子物理学の発展に大きく寄与した二人の物理学者を輩出している。2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英博士(故人)と名古屋大学特別教授である小林誠博士である。お二人の先生は、1955年に「坂田模型」を提唱した坂田昌一博士(当時、名古屋大学教授)の弟子である。1950年代後半から1960年代にかけて、日本の素粒子物理学をリードした坂田教授の教えを受けるために、名古屋大学を目指した学生は多かったのではないかと想像する。名古屋大学出身の年長の友人と飲んでいた時に、そんな話を聞いた思い出がある。
我が子はいずれ大学に進学すると思うが、高校に入ったら、自分が進みたい分野の研究室や教授のことをよく調べるように伝えるつもりである。「この教授に教わりたい」という強い思いがあれば、勉強のモチベーションが上がるはずである。
次回は、名古屋大学の一般選抜の概要を見る。