公立ルートを行く

公立中学校、公立高校で文武両道を目指し、自分のベスト大学に進学する!!

高1で知る!名古屋大学の学校推薦型選抜は狙い目か

 いよいよ名古屋大学の学校推薦型選抜の概要を見ていきたい。大学入学共通テスト(以下、共通テスト)を課さないタイプ(文学部)と共通テストを課すタイプ(文学部以外)があるが、共通テストを課すタイプをを取り上げる。

 

 今回は、筑波大学の学校推薦型選抜と比較する方法を取りたい。以下、筑波大学=筑波大学の学校推薦型選抜、名古屋大学=名古屋大学の学校推薦型選抜を指す。

 

日程

 筑波大学は共通テストを課さないので、年内に入試が終わる(11月から出願が始まり、合格発表は12/13)。名古屋大学は共通テストを課すので、年明けに出願が始まり、合格発表は2/13である。

 年内に終わるか、年明けから始まるか、いずれにしても短期決戦なのが良い。仮に残念な結果であっても、次に切り替えられる。学校推薦型・総合型選抜では、日程が重要になる。

 

選考方法

<筑波大学>
 提出書類、小論文(筆記試験)及び面接を総合的に評価して合格者を決定する。

 

<名古屋大学>
 提出書類、共通テスト成績及び面接を総合的に評価して合格者を決定する。

 但し、理学部の合格者の半数は面接が免除される(第1次選考で合格確定)。また、農学部は面接なしで合格者を決定する。

 

学校推薦の要件

 筑波大学の学校推薦要件は具体的に定義されている。学群学類によって微妙に違うので詳細は割愛するが、代表的な要件例として、①学習成績概評A段階(一般的に評点平均4.3以上を指す)に属する者または同大学の個別学力検査に合格できる程度以上の学力を有する者、②科学オリンピックで実績を有する者、③国際的な課題をテーマとする探究的な学習や、国際交流に関する活動に取り組み、コミュニケーション能力、問題解決力等の国際的な素養を身に付けた者、などが挙げられている。これらのいずれかに該当しないと、学校長は生徒を推薦できない。「個別学力検査に合格できる程度以上の学力を有する者」については、「推薦校において同大学の一般選抜で入学した者以上の学力(高校での学習成績)があると認められた者とする」と記載されている。

 

 名古屋大学の推薦要件は筑波大学ほど具体的ではない。学校長の判断に委ねられている。志願者数を上手くコントロールできるのかと思ってしまうが、これができるのである。志願者数と合格者数は以下の通りである。

 

<情報学部>
 募集人員22人に対して、志願者60人、第1次選考合格者33人、第2次選考合格者22人。

<理学部>
 募集人員50人に対して、志願者120人、第1次選考合格者75人(内、25人は合格確定)、第2次選考合格者25人。

<工学部>
 募集人員69人に対して、志願者180人、第1次選考合格者134人、第2次選考合格者68人。

<農学部>
 募集人員34人に対して、志願者92人、合格者35人。(第2次選考なし)

 

 志願者数は募集人員の3倍程度に収まっている。

 あくまで推測だが、第1次選考では、共通テストで一般選抜上位得点者(募集人員以内)と同レベルかそれ以上の得点をした受験生が合格し、第2次選考でほぼ五分五分の勝負(面接及びそれを補完する提出書類による評価)になるのではないだろうか。

 

共通テストの合格者平均

 一般選抜の合格者平均より若干高いレベルが求められる。

 

左側:一般選抜合格者平均
右側:学校推薦型選抜合格者平均

情報学部84.44% 85.31%
(コンピュータ科学科)

理学部 79.40% 79.12%

工学部 78.29% 81.48%
(電気電子情報工学科)

農学部 77.67% 81.66%
(応用生命科学科)

 農学部の場合、第2次選考がないので、一般選抜の合格者平均よりかなり高くなる。

 

名古屋大学の学校推薦型選抜は狙い目か

 この入試制度は、共通テストで一般選抜の合格者平均を上回る得点率を狙える学生が向いている。共通テストで82%取れるなら、個別学力検査を受けずに面接勝負に持ち込めるのである。

 

 ここで重要なことに気が付いた。高3生(現役生)で、9月の時点で共通テスト得点率82%を確信できる生徒はどのくらいいるだろうか。この時点で確信できるような受験生は、さらに上位の旧帝を目指すのではないだろうか。9月の時点では共通テストの得点率の見通しがまだ立たず、一方で筑波大学の学校推薦が受けられる場合、どうするか。受験では常に難しい選択を迫られる。