ある時期、子供の将来の進路として、神奈川県立高校と東京都立高校のどちらが良いのか、真剣に考えたことがある。それというのも、東京都町田市が地理的には神奈川県に入り込んでいて、一駅違えば東京都民にもなれるからである。
東急田園都市線の長津田駅から中央林間駅は以下のようになっている:
長津田(横浜市緑区)→つくし野(町田市)→すずかけ台(町田市)→南町田グランベリーパーク(町田市)→つきみ野(大和市)→中央林間(大和市)
南町田グランベリーパーク(以下、南町田GP)に住めば東京都民、二駅先の中央林間に住めば神奈川県民になる。子供の学区がまるっきり変わってしまうのである。
内申点の計算方法が全く違う
神奈川県の場合、中2三学期の内申(45点満点)と中3二学期の内申(45点満点)×2倍を合計した換算内申(135点満点)を使う。東京都の場合、中3の成績のみが使われ、主要5教科の評点(25点満点)と実技4教科の評点×2倍(40点満点)を合計した換算内申(65点満点)を使う。都立高校の場合、中3二学期だけの一発勝負であり、実技4教科が2倍カウントされるという一見不可思議な仕組みになっている。
この実技4教科の評点を2倍カウントする仕組みが吉と出るか凶と出るか、最後まで判断ができなかった(実は本質的にはあまり違いはない)。実際のところは、地元の公立中学校に行くのと違い、引っ越した先の公立中学校入学時に友達が一人もいないのは親としても心配なので、「町田市への引越し」は決行しなかった。
南町田GPに住む場合、中央林間に住む場合の比較
有力な公立高校までの通学時間(電車に乗っている時間)を調べてみた。高校のグループ分けは以下を参照されたい:
大学合格実績は二つの指標のバランスで評価する - 公立ルートを行く
南町田GPに住む場合
Aグループ 日比谷(赤坂見附まで51分)
Bグループ 青山(外苑前まで52分)
Cグループ 新宿(新宿まで55分)
小山台(武蔵小山まで49分)
Dグループ 町田(町田まで20分)
中央林間に住む場合
Aグループ 横浜翠嵐
(三ツ沢下町まで40分)
Bグループ 湘南(藤沢本町まで24分)
柏陽(本郷台まで43分)
Cグループ 厚木(本厚木まで24分)
川和(市が尾まで23分)
Dグループ 大和(0分)
希望ケ丘(希望ケ丘まで20分)
南町田GPだと、都立の厚みの恩恵を受けられない
神奈川県と東京都の公立上位校を比較したとき、東京都の進学指導推進校15校のレベルが高く(神奈川県の学力向上進学重点校エントリー校と同レベル)、進学指導特別推進校7校と合わせた22校の厚みが凄い。しかし、南町田GPに住む場合、通いやすい進学指導推進校がないのである。結果として、Dグループは町田高校(進学指導特別推進校)だけになってしまう。
東京都
進学指導重点校7校
進学指導特別推進校7校
進学指導推進校15校
神奈川県
学力向上進学重点校5校
同エントリー校13校
中央林間からはどの高校へもアクセスが良い
中央林間からは、どの高校へも通いやすく、非常に良い場所である。
まとめ
県立高校と都立高校のマッチアップを眺めると、Dグループに差があるように思う。中央林間に住めば、大和高校か希望ケ丘高校を狙えるのが大きい。この2校は非常に魅力的である。また、マッチアップには入っていないが、公立上位校である海老名高校や市ケ尾高校へのアクセスも良い。南町田GPに住む場合、町田高校しか選択肢がない(町田高校は魅力のある高校である)。
都立のDグループの厚みの恩恵を受けようと思えば、中央線・京王線沿線に住む方が有利である。30代でこれから家を購入される方や賃貸派で引越し可能な方は、ご参考にしていただければと思う。