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中3一学期内申をどう捉えるか

 高校受験を控えた中学3年生は、夏休み前に一学期の成績表(内申)を渡され、それぞれが思い悩みながら、「今やるしかない!」と気持ちを奮い立たせて、勉強に取り組んでいることと思う。ディズニーランド、夏祭り、花火大会と誘惑は多い。夏休み中、遊ぶのは1日か2日にしておけるかどうか。

 さて、中3一学期の内申は、どこに着目し、どう考えておけば良いのだろうか。

 

内申はこれまでの積み重ね

 今更ながらの話であるが、中3一学期の内申は、中1一学期からの努力の積み重ねの結果である。内申が前学期より5上がった(あるいは下がった)みたいなことは普通起こらない。勉強がすごくできるのに授業態度が悪く、提出物も疎かにしていた中3男子が突然普通に授業に望むようになったら、こういうことは起きるかもしれないが、それ以外の生徒の場合、内申の前学期からの変動は1か2である。ただ、この1点、2点が大きいのが高校受験である。だから、もし1点でも内申が下がると、生徒本人も親も動揺するのは無理もない。

 

中3一学期の内申には下げ圧力がかかる

 中3一学期の内申、どうやら中2の三学期より少し下がるのもかしれない。生徒本人や親にとってはたまったものではないが、学校側の立場で考えてみると、下がる方がしっくりくる。

 

①二学期の内申を下げたくない

 中学校の先生としては、最後の最後(中3二学期)に評点を5から4、あるいは4から3に下げたくない。特に評価が変動しやすい副教科の一学期の評価は厳し目になるのではないかと思う。主要5教科であれば、数学や理科の評価が厳し目になる。国語、英語、社会の成績はかなり安定しているものであり、それほど変動しない。

 

②生徒を油断させたくない

 中3一学期に高評価を与えて、生徒の気持ちが緩んでしまっては、元も子もない。中学校の先生としては、生徒が危機感を持って夏休み、そして二学期に勉強することを期待していると思う。

 

③受験校について戦略的に考えてもらいたい

 中3一学期の内申を少し厳し目につけておけば、二学期も同じ内申点になるケースや、一学期より1点か2点上がるケースなど、生徒はケースごとに受験校を考えるようになる。「この高校しか受験しない!」というのは困るのである。

 

中3一学期の内申のどこを見ておくべきか

 各教科は、「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点で評価される。よ〜く目を凝らすと、3から4、4から5に評点が上がる一歩手前かどうかが見えてくるはずである。中学校の先生は、ちゃんとメッセージを送ってくれているのである。

 

中3二学期の方が評価機会が多い

 中3一学期の実質的な学習評価期間は約3ヶ月(4月上旬から7月上旬まで)、二学期も約3ヶ月(8月下旬から11月下旬まで)と期間は同じ程度だが、一学期は体育祭、修学旅行という大イベントがある。一学期の定期テストは1回、二学期の定期テストは2回あり、二学期の方が学習評価機会が多い。中3二学期が勝負の学期になるのである。最初の定期テストは9月なので、夏休みの期間中に準備を始めなければならない。既に、二学期の戦いが始まっているのである。

 

中3二学期は大変だ

 中3二学期は、いよいよ入試過去問に取り組みながら、学校の定期テストの準備もしなければならず、勉強のマネジメントが本当に大変になる。中学受験は夏休みが天王山と言われるけれど、高校受験は二学期が天王山だ。社会人でも、これほど厳しいプロジェクトマネジメントはなかなか経験しない。「がんばってね。」としか、親は言えない。