横浜翠嵐高校の2024年度入試結果は、受験者746人(受験後取消33人)に対して合格者361人となった。受験者数は前年度比+60人で、入試倍率は1.79倍から1.98倍に上昇した。
ステップの横浜翠嵐高校合格者数は148人で、前年度比+16人と増えたが、合格率は前年度の74.2%から64.3%へと9.9%低下した。横浜翠嵐を受験したステップ生が60人増えたためである。
湘南高校の2024年度入試結果は、受験者577人(受験後取消10人)に対して合格者360人となった。受験者数は前年度比+11人で、入試倍率は1.52倍から1.58倍に上昇した。
ステップ生の湘南高校合格者数は252人で、前年度比+7人と増えたが、合格率は前年度の80.6%から69.8%へと10.8%低下した。湘南を受験したステップ生が57人増えたためである。
横浜翠嵐・湘南を受験したステップ生がなぜ大きく増えたのだろうか。横浜翠嵐が残念だったステップ生は46人から82人に増え、湘南が残念だったステップ生は59人から109人に増えた。残念な結果になった受験者が結構多かったのである。
東京学芸大附属高校(学附)の2024年度入試の正規合格者数は274人で、前年度比+8人と増えた。ステップの学附正規合格者数は152人で、前年度から20人も増えた。ステップの学附合格者に占める割合は49.6%から55.5%へと大幅に上昇した。
さらに、ステップ生だけで繰り上げ合格者が62人いた(学附に合格したステップ生は214人)。ステップの学附合格者占有率(正規合格)で割り戻すと、学附の繰り上げ合格者数は112人程度と推定される。一般中学生を対象にした募集人員が約120人なので、正規合格者の殆どは辞退していることになる。
横浜翠嵐が残念だったステップ生82人のうち半数程度は学附に繰り上げ合格し、湘南高校が残念だったステップ生109人のうち20人程度は学附に繰り上げ合格したのではないかと思われる(地理的なことを考慮すると、前者がもっと多いかもしれない)。
横浜翠嵐の合格ボーダー付近にいた受験者にとって、学附が「保険」になっていたと思う。横浜翠嵐合格者数148人+学附繰り上げ合格者数41人(横浜翠嵐不合格者の半数と推定)を横浜翠嵐受験者230人で割ると、合格率は82.2%になる。横浜翠嵐にチャレンジして学附合格なら良しと考えるなら、悪くない併願プランになる。
しかし、この併願プランを実行する前に学附の教育プログラムをよく理解しておく必要がある。学附の2024年度大学入試結果を見ると、現役進学者154人、既卒進学者121人である(1学年300人以上のはず)。深い学びと大学受験に向けた学習のバランスという点では、前者にかなり傾いているように思われる。学附の1学年の構成は、内進生約200人、外進生約120人、帰国生約30人で、実は高受で入る外進生は1/3程度である。