公立ルートを行く

公立中学校で3年間を過ごし、高校受験を経験して、自分のベスト大学に進学する教育ルートの魅力を発信します

進学重点校エントリー校はなぜ入試倍率以上の激戦なのか

 公立高校入試は1校しか受験できない。神奈川県の場合、学力向上進学重点校エントリー校を受験するか、ワンランク下の公立上位校を受験するか、この判断が一番難しいと思う。エントリー校と公立上位校の差は確かにある。大学合格実績も違うし、「エントリー校」のブランドも大きい。エントリー校の合格ラインを超える可能性があるなら、チャレンジしたくなる。

 

公立高校入試倍率の捉え方

 エントリー校の中でもトップランクの大和高校を例にとる。2024年度入試倍率は1.42倍であった。募集定員279人に対して396人(受験後取消者2人を除く)が受験し、279人が合格した。不合格者は117人で、受験者の29.5%に相当する。

 

 自分は少し違った捉え方をする。募集定員279人の50%に相当する140人は、客観的には安全圏にいて(主観的には合格発表まで安全圏にいる意識はない)、合格枠の半分をすでに占めていたのではないかと思う。進学重点校に合格できる実力があるのに、通学時間であったり部活動であったり、いろいろな理由で大和高校を第1希望にした受験生はいただろうし、第1希望が難関の私立高校で、安全校として大和高校を選んだ受験生だっていたかもしれない。どういう理由であれ、どの高校にも安全圏の受験生はいる。

 

 この安全圏の140人を除いて考えると、学力の近い受験者256人が合格枠(139人)を競っていたことになる。これが実態に近いように思う。このように考えると、不合格者の割合は45.7%に上昇する。つまり、公立高校入試倍率1.42倍は激戦である。

 

エントリー校に挑戦したことに自信を持ちたい

 2024年度入試で大和高校にチャレンジして残念だった受験生は、辛い思いをしているだろう。しかし、挑戦したことは決して間違いではなかったと思う。合格するチャンスがあったことに自信を持ちたい。

 

 高校に進学したら、そこでまた頑張る。自分は、これまでにへたり込みたくなるような挫折を何度か味わったが、「チクショー」と思いながら立ち直ってきた。

 

中1生、中2生はどうするか

 2つのアプローチがあると思う。

 第1のアプローチは、中3の12月までは全力でエントリー校を目指すことである。しかし、12月にエントリー校を受験するか、ワンランク下の公立上位校を受験するか、冷静な判断をしたい。その判断を助けてくれるような塾の先生がそばにいて欲しい。

 

 第2のアプローチは、「エントリー校」というブランドに惑わされないようにすることである。エントリー校に指定されていないが、新城高校、市ケ尾高校、海老名高校は魅力のある学校だと思う。(大学受験も実は同じことで、東大、旧帝、早慶、MARCHみたいなブランドに捉われない方が良い。)