公立ルートを行く

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希望ケ丘高校は「高校力」 大和高校は「大学合格力」が魅力だ

 希望ケ丘高校と大和高校。どちらも学力向上進学重点校エントリー校(以下、エントリー校)である。入試難易度は殆ど同じだが、学校のキャラクターがかなり違う印象を受けるので、受験生によってはどちらの高校を受験するか、最後まで悩むかもしれない。

 

エントリー校の中での位置

 合格者の内申平均、入試平均得点、全県模試偏差値及び入試倍率の出典は、2024年度用「神奈川県高校受験案内」(声の教育社)

 

入試平均得点順

 内申平均/入試平均得点/全県模試偏差値/入試倍率

横浜緑ケ丘  
 127.3 / 439.1 / 67.6 / 1.36倍
多摩     
 123.6 / 432.9 / 66.7 / 1.78倍

希望ケ丘   
 123.4 / 425.6 / 65.2 / 1.51倍

大和     
 123.2 / 422.0 / 64.3 / 1.49倍

光陵     
 121.5 / 416.9 / 64.3 / 1.41倍
鎌倉     
 121.5 / 411.8 / 63.2 / 1.24倍
小田原    
 124.0 / 411.7 / 64.9 / 1.19倍
相模原    
 123.2 / 409.2 / 64.3 / 1.19倍
横須賀    
 119.8 / 405.8 / 63.5 / 1.18倍
横浜平沼   
 120.6 / 400.6 / 62.4 / 1.20倍
平塚江南   
 120.1 / 398.8 / 61.9 / 1.18倍
横浜国際   
 117.7 / 393.0 / 61.0 / 1.19倍
茅ケ崎北陵  
 116.8 / 391.5 / 60.0 / 1.35倍

  ※横浜国際は国際科の数値。

 

 横浜緑ケ丘高校と多摩高校の入試難易度は学力向上進学重点校と遜色ないので別格扱いとすれば、希望ケ丘高校と大和高校はエントリー校の中で最上位に位置している。両校の入試難易度は同レベルと言っていい。そして入試倍率は両校共に1.5倍程度と高い。2024年入試選考基準は両校共に内申4、学力検査6、特色検査1の461型だが、希望ケ丘高校の方が特色検査で難しい大問を1つ選択しているので、そこは要注意である。

 

 余談であるが、全県模試偏差値と入試平均得点のバランスが崩れている(偏差値に対して入試得点が低い)のは、小田原、相模原、横須賀の3校である。神奈川県の地図を思い浮かべると、3校はそれぞれ地図の端(四角形とすれば、左上隅が相模原、左下隅が小田原、右下隅が横須賀)に位置している。あくまで推察だが、それぞれ独自の勢力圏の中で、模試偏差値と内申に従って受験校がすんなりと決まってしまい、受験生にとって入試本番の重要性が相対的に低くなっている(入試倍率は1.2倍以下)ことが関係しているように思う。

 

希望ケ丘高校の特徴

 1897年創立(120年以上の歴史)
 相鉄線希望ケ丘駅から徒歩8分
 大木に囲まれた校舎 
 男女比はほぼ50対50
 SSH指定校
 50分授業
 部活動は盛ん(陸上部とか)
 学校行事は、熱そう!!!

 

大和高校の特徴

 1962年創立(約60年の歴史)
 中央林間駅から徒歩12分
 (つきみ野駅からだと徒歩7分)
 住宅街の中に立つ校舎
 男女比は55対45
 65分授業
 創作舞踊部は全国大会12年連続入賞

授業時間について

 1週間の授業時間数を計算してみると、希望ケ丘高校が1600分、大和高校が1595分であった(2024年度用「神奈川県高校受験案内」の両校説明内容から計算した)。ただ、1時限の授業時間(希望ケ丘50分、大和65分)の方が授業内容に直接関係してくると思う。1時限の授業時間は、50分4校、55分1校、65分5校、70分3校(多摩、相模原、横須賀)となっている。

 希望ケ丘高校はSSH指定校としては授業時間が短いので、同校の授業の進め方などについてよく確認しておいた方が良いと思う。

 

大学合格実績

 国公立大学現役合格率は大和高校が17%、希望ケ丘高校は10%を少し切っているかもしれない(情報開示が少なく正確に計算できなかった)。この点では大和高校に軍配が上がる。※本ブログでは、早慶やMARCHの合格者数は評価対象にしない。

 

どちらの高校を受験するか

 勉強中心の高校生活を送り、できるだけレベルの高い大学に進学する方針であれば、ゼロ秒で大和高校を選べば良い。しかし、私でも希望ケ丘高校に惹かれるものがある。自分の子供が「高校では一生の思い出になる時を過ごしたい。希望ケ丘高校に正直惹かれる。でも国公立大学に現役で行きたい。」と迷い出したら、さてどうするか。

 

 自分の子供が両校の間で迷ったら、こう言うと思う。(迷ったらの話)

 自己コントロールにより、学校生活と大学受験を両立させれば良い。

 

補記:

 2016年10月15日号の週刊東洋経済の特集で取り上げられた「高校力」は確かに重要だと思う。希望ケ丘高校には大学合格実績などでは測れない「高校力」があるように思う。なんといっても旧制第一中学校である。そして、学校名がカッコ良すぎる。他方、大和高校は大学合格力の面ではあと少しで進学重点校と同レベルになる。学校関係者でもない自分が言うのも変だが、SSH指定を受けたら多摩高校、小田原高校に一気に追い付くのではないかと思う。