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ユニークな総合型選抜!滋賀大学データサイエンス学部

 滋賀大学は、2017年に国内初のデータサイエンス学部を創設した。同学部は、琵琶湖の畔の彦根キャンパス内にある。

 

以下の記事を参照:

データサイエンス学部は文理融合型で時代の最先端を行く - 公立ルートを行く

 

総合型選抜I【オンライン講座受講型]の概要

※2023年入試までは、総合型選抜I、総合型選抜II、総合型選抜IIIとなっていたが、IとIIが統合されて総合型選抜Iとなり、総合型選抜IIIがIIに変更となった。

 

募集人員:
 30人

 

日程:
 出願期間:9月1日〜9月7日
 第1次選考:9月23日
  合格発表:10月6日
 第2次選考:10月14日
  合格発表:11月1日
 最終選考: 大学入学共通テスト
      (以下、共通テスト)
 最終合格発表:2024年2月7日

 

第1次選考:

 MOOC(Massive Open Online Course)教材「高校生のためのデータサイエンス入門」を視聴する必要がある。一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会公認プラットフォームへ接続し視聴する(無料)。受講期間は6月16日〜9月15日

 

 出願書類(調査書、志望理由書、課題レポート)100点、総合問題(当日会場で解く)100点、取得資格(最大30点)を併せて総合的に選考が行われる。

 

 課題レポートは、MOOC教材を視聴後、同大学HPで指定される課題についてまとめる(A4一枚両面)。

 

 第1次選考日に行われる「総合問題」(90分)は、データや図表を含む資料(英文を含む)を読み、設問に対する解答や論述(記載)を行うものである。

 

 取得資格は、統計検定(3級以上)、品質管理検定(同左)、情報処理技術者試験、情報処理検定試験が対象になる。

 

第2次選考:

 個人面接(MOOC教材の内容に関する口頭試問を含む)である。面接時間は15分程度。

 

最終選考:

 共通テストを受ける。900点満点中550点(得点率61%)以上で最終合格となる。

 

共通テストの教科・科目

 国語200点
 外国語200点
 数学200点
 地歴、公民、理科から3科目300点

 

 数学は数IAは必須。残り1科目は、数IIB、簿記・会計、情報から1科目選択。簿記・会計または情報を選択する場合は、高校で履修していることが要件となる。

 

 理科は最低1科目選択。理科2科目、地歴・公民1科目でもOK。

 

2023年入試の状況

 第1次選考受験者51人中、同合格者40人。第2次選考受験者39人中、同合格者39人(全員合格)。最終選考(共通テスト)受験者39人中、最終合格者15人。最終選考で半数以上が落ちてしまった。

 

総合型選抜II【実績評価型]

※2023年入試ではIIIとされていた。

 

 全国規模で開催されるデータ分析やプログラミングに関するコンペティションの実績を有する受験者が対象であり、募集定員は若干名である。

 

 総合型選抜Iとの違いは、MOOC教材の視聴が不要で、第1次選考は書類選考になることである。課題レポートの代わりに実績報告レポートを提出する。第2次選考以降は総合型選考Iと同じプロセスになる。

 

2023年入試の状況

 第1次選考受験者5人中、同合格者3人。第2次選考は3人全員合格。最終選考で2人合格。

 

総合型選抜は最終選考が鬼門

 最終選考(共通テスト)で550点(得点率61%)以上を取れば合格だが、ここで脱落してしまう受験生が多い。同大学データサイエンス学部の一般入試のボーダー得点率は66%(河合塾)であり、一般入試よりは有利になるように設定されている。総合型選抜を利用する場合でも、一般入試での共通テスト合格者平均(得点率)を取る勉強が必要なのだと思う。

 

 個人的には、よく考えられた入試制度という印象を持った。琵琶湖の畔にキャンパスがあるのも魅力的だ。共通テスト得点率70%程度の学力があり、データサイエンティストになりたいなら、滋賀大学データサイエンス学部は有力な選択肢になる。