横浜市立大学データサイエンス学部(2018年創設)は、この分野の先駆者である。今回は、同学部の学校推薦型選抜と総合型選抜を見ていきたい。
以下の記事を参照:
データサイエンス学部は文理融合型で時代の最先端を行く - 公立ルートを行く
指定校制学校推薦型選抜の概要
募集人員:
10人
日程:
出願期間:11月1日〜11月6日
選考日:11月16日
合格発表日:12月1日
出願資格・要件:
高校での学業成績(指定値以上)
英語資格(英検2級他)
学業成績の指定値は公開されていないが、常識的には高校成績評定で4.3以上と考えておけば間違いないと思う。また、指定値特例というものがあり、①数III評定4.0以上、②英検準1級のいずれかを満たせば、高校成績評定3.5以上で条件クリアになる。
英語資格は2021年4月以降に(高校生になってから)取得したものになる。
評価方法:
書類及び面接
2023年入試の状況
募集定員10名に対して12名が志願し、12名合格(入学)。
指定校はどこか?
この制度を利用するためには、自分の高校が指定校になっている必要があるが、オフィシャルには公開されていない。2024年度用「神奈川県高校受験案内」(声の教育社)の「各高校別指定校推薦一覧」を見ると、少なくとも以下の高校は、データサイエンス学部の指定校になっている。
希望ケ丘
桜丘(横浜市立)
金沢(横浜市立)
横浜サイエンスフロンティアは間違いなく指定校になっているはずである。
横浜市立の高校にはこういうメリットがあるのか。
総合型選抜
募集定員:
5人
選考方法:
第1次選考: 書類審査
第2次選考: 面接
第3次選考: 大学入学共通テスト
(以下、共通テスト)
面接では、一人30分程度のプレゼンテーションと質疑が行われる。
共通テストについては、数IAと数IIBが必須になる一方で、理科を受けずに地歴・公民で代替することができる。
この学部で学ぶ内容を考えると、理科を受けずにOKというのには違和感がある。
日程:
出願期間:10月10日〜10月12日
第1次選考結果発表:11月2日
第2次選考:11月18日
第2次選考結果発表:12月1日
第3次選考(大学入学共通テスト)
合格発表日:2024年2月13日
出願資格・要件:
高校での学業成績の要件なし
英語資格(英検2級他)
2023年入試の状況
志願者17人中、第1次選考合格10人、第2次選考合格6人、第3次選考合格3名。最後の大学入学共通テストで半分落ちてしまった。データサイエンス学部の一般入試(前期)のボーダー得点率は78%(河合塾)なので、70%以上(あるいは75%以上)を取らないと合格できないのかもしれない。
受験戦略
総合型選抜は結構タフだ。第3次選考で大学入学共通テストを受けることになり、第2次選考合格者の半分が落ちてしまう。共通テストで要求される得点率が開示されないのは、この入試制度のデメリットである。
我が子に対しては、難易度は多少上がるかもしれないが、一般選抜で受験することをアドバイスする。そして、別の総合型選抜あるいは学校推薦型選抜を受験することを勧める。国公立大学受験は、一般選抜と学校推薦型・総合型選抜のダブル受験の時代に入っている。
指定校制学校推薦型選抜は、大学入学共通テストが課されずに年内に合格できてしまう。この指定校制学校推薦型選抜は超魅力的だ。問題は、どこが指定校なのかである。