公立ルートを行く

公立中学校で3年間を過ごし、高校受験を経験して、自分のベスト大学に進学する教育ルートの魅力を発信します

湘南高校を目指すなら 実技3教科で5を取りたい

 湘南高校の魅力については語るまでもない。神奈川県民なら誰でも憧れる「湘南ブランド」。湘南の海、加山雄三、サザンオールスターズ、スラムダンク、そして湘南高校だ。

 

湘南高校を第一希望にする難しさ

 湘南高校は、神奈川県の学力向上進学重点校(以下、進学重点校)の中で、合格者の内申平均が130.2と一番高い。これは、湘南高校が2023年入試まで441型(内申4、学力検査4、特色検査1)の選考基準を採用していたためである。2024年入試から462型に変更されるが、横浜翠嵐(373型)や柏陽(372型)と比較して内申ウェイトが相対的に高いことに変わりはなく、進学重点校の中では最も高い内申が要求されると思う。

 

2024年度「神奈川県高校受験案内」
(声の教育社)より

合格者平均
       内申   学力検査   全県模試
                  偏差値

横浜翠嵐   127.2      465.2            73.2
湘南     130.2      460.8            71.7
柏陽     127.2      444.7            69.6
厚木     126.5      430.6            67.7
川和     128.7      430.0            67.2

 

 平均的な湘南高校合格者の素内申は43か44ということになり、横浜市や川崎市の中学生がこの内申を取るのは相当厳しい。この地域だと、主要5教科オール5を前提にすることはできない。そうなると、実技4教科のうち3教科で5を取る必要がある。「スポーツ万能、歌はうまいわ、絵はうまいわ」みたいな子でないと無理なのかと思ってしまう。

 

 学力検査の合格者平均460.8点もエグい。ここまで高得点の戦いになると、逆に内申の少しの差が効いてくる。462型の場合、内申1点は学力検査の得点に換算すると2.46点である。内申130と126の差は、学力検査の点数換算で9.84点である。これは大きい。

 

実技4教科の評点(内申)

 子供(娘)が地元の公立中学校に進学し、今は実技4教科の評価がどういうものか、ある程度はわかってきた。

 

技術家庭は「主要教科」である

 評価の中心は定期テストだと思う。そして、技術家庭のうちの技術が難しい。覚えることが多いし、計算もさせられる。オームの法則など、理科で習う前に出てくる。従って、「主要教科」と思って十分な時間をかけて準備できるかどうかがポイントになる。家庭科では、手提げとかいろいろ作るので、器用不器用は多少あるものの、一生懸命作れば悪い評点はつかないと思う。中学校の先生は本当に頑張る子には優しい。

 

 技術家庭の定期テスト準備に時間を回せるということは、主要5教科の定期テストの準備に多少の余裕があるという見方もできる。

 

音楽と美術には鑑賞がある

 「歌はうまいわ、絵はうまいわ」でないと駄目かと思っていたが、音楽や絵画の鑑賞があった。模範回答はどこにもない。つまるところ、この2教科は感性と国語力が重要になる。音楽では、できれば合唱でパートリーダーになりたい。また、音楽と美術の定期テストは難しい(覚えることが多い)。技術家庭ほどではないが、しっかり準備できるかどうかがポイントになる。ここまでやって、どちらかで5を取りたい。

 

 尚、大手塾などで配られる過去問に頼ると墓穴を掘ることになるので要注意である。先生によっては、微妙に問題をずらしながら、模範回答丸写しかチェックしたりする。

 

保健体育だけは素質が関係する

 この教科だけは、素質がないと厳しいかもしれない。

 

湘南高校を目指すなら、保健体育5は必須だ

 主要5教科が得意なのは大前提である。しかし、湘南高校の場合には、スポーツ万能で保健体育の評点5が見込めるかどうかが最大のポイントになると思う。保健体育5がほぼ確定なら、残りの実技3教科のうち2教科で5を取れば、素内申43、44が見えてくる。

 

 湘南高校の野球部が強い理由が今はよくわかる。湘南高校は、高次元で文武両道を行く学校なのだと思う。