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神奈川県公立高校入試速報をみる

 2024年度神奈川県公立高校入試は2月14日(特色検査実施校は2月15日)に終わった。多くの親子が次にするのは、神奈川No1の塾であるステップの「ステップ生 自己採点平均点速報」を視聴することだと思う。学力検査の速報が2月16日、特色検査の速報が2月17日に公開された。

 

 ステップ生の高校別の自己採点平均点と各校の最終合格者平均点の間には若干の差異があるが、2023年度入試結果で差異の傾向を把握しておけば、合格者平均点をある程度は予想できるように思う。

 

ステップ自己採点平均点と最終合格者平均点

 進学指導重点校については、2023年度学力検査平均点の差異の大きい高校が3校あった。


厚木高校:
 ステップ生の自己採点平均点の方が最終合格者平均点より9点高い。ステップ生の同校合格者に占める割合が約65%と高いことが一番の要因ではないかと思う(合格者は232人)。合格率は約91%である。湘南ゼミナールの合格者数は15人と極端に少ない(小田急線沿線の校舎が少ないからか)。臨海セミナーの合格者数は47人である。

 厚木高校の最終合格者平均点は408点前後ということになる。受験者数が増えたので、数点上振れるかもしれない。

 

川和高校:
 ステップ生の自己採点平均点の方が最終合格者平均点より5点高い。ステップ生の同校合格者に占める割合は約38%とそれほど高いわけではない。無理して横浜翠嵐を受験せず、川和高校を受験するステップ生が多いのではないかと想像する。

 川和高校の最終合格者平均点は405点前後ということになる。

 

多摩高校:
 ステップ生の自己採点平均点の方が最終合格者平均点より5点低い。ステップ生の同校合格者に占める割合は約28%と高くない(合格者数は77人)。臨海セミナーの合格者数は82人、湘南ゼミナールの合格者数は58人である。入試倍率が高く激戦であることが要因ではないかと思う。

 多摩高校の最終合格者平均点は予想し難い。しかし、前年度から20点以上は下がるはずなので、410点台前半だと思う。

 

2024年度学力検査の平均点低下

 2023年度入試との比較で、ステップ生の自己採点平均点は横浜翠嵐・湘南で▲16〜▲19点、柏陽・厚木・川和・横浜緑ケ丘で▲23〜▲27点となった。多摩は▲13点と小さい。

 多摩高校のステップ生自己採点平均点の低下が13点と小さい理由がわからない。しかし、横浜翠嵐・湘南よりも小さいとは考え難いので、最終合格者平均点は20点以上下がると予想する。

 

 2024年度入試は、新しい学習指導要領で3年間を過ごした最初の世代が受けるものだったので、試験の傾向が変わる可能性はあった。ただ、神奈川県の場合は特色検査があるので、共通問題である学力検査に大きな変更はないだろうと考えていたが、見事にハズレた。東京都、千葉県、埼玉県の公立高校入試でも同じことが起きる可能性はある。

 

S値の合格者平均とボーダーの幅

 入試難易度が上昇した結果、合格者平均点とボーダー(合格最低点)の幅は狭くなるかもしれない。合格者平均点とボーダーが下方に平行シフトしないという意味である。とは言うものの、どの高校でも20点の幅はあると思う。