公立ルートを行く

公立中学校から高校受験を経て国公立大学に進学するルートの魅力を発信します

高1で知る!東京農工大学工学部の学科カリキュラム

 東京農工大学は、農学部と工学部に特化した国立大学である。ちょっと地味な印象を持っている人は多いのではないかと思う。自分もその一人である(遠い昔、ある研究室の先生を訪ねたことがある)。

 しかし、国立大学で府中と小金井にキャンパスがあるのは魅力的である。

 大学の魅力を探るとき、「我が子(娘)はどの学部・学科に興味を持つだろうか?」という視点で眺める。東京農工大学の2024年度大学案内(デジタルパンフレット)は、各学科で何を学ぶのかが分かりやすい。ちょうど、高校の教育課程表に相当するものがコンパクトに記載されている。

 今回は、工学部のカリキュラムを中心に見ていきたい。

 

工学部の6学科

生命工学科

生体医用システム工学科

応用化学科

化学物理工学科

機械システム工学科
 航空宇宙・機械科学コース
 ロボティクス・知能機械デザインコース

知能情報システム工学科
 数理情報工学
 電子情報工学

 

 理系に進む高校生は、どのようにして志望する学部・学科を決めるのだろうか。得意な(好きな)教科をベースに決めるとすれば、以下のようになるだろう。

 

数学が好き
 →数理情報工学

物理が好き
 →電子情報工学
  機械システム工学科

化学と物理が好き
 →化学物理工学科
  生体医用システム工学科

化学が好き
 →応用化学科

生物が好き
 →生命工学科

 

 工学部は、数学・物理または物理・化学をベースした学問領域なので、生物をベースにしたい高校生は理学部か農学部の方が良いと思う。また、工学的な応用ではなく、数学や物理学を深く勉強したい場合は理学部の方が良い(就職は工学部の方が良いだろうけど)。

 また、融合領域に関心がある場合は、北海道大学や筑波大学のように、1年次は学部・学科を決めないシステムの方が良いかもしれない。

 

生命工学科

 分子レベルで生命現象の仕組みを理解し、工学的に応用する。

 

<カリキュラム>

 1年次は、高校で習った物理・化学・生物・数学をアップグレードする。2年次は、生命物理化学、生命有機化学、生命無機化学などを履修する。3・4年次は専門科目になる。

 2年次に履修する科目を見たとき、自分はこの分野に関心がないことがわかった。

 

<進路>

 製薬会社、医療機器メーカー、食品会社、大学院など。

 

生体医用システム工学科

 物理学と電子情報工学を学び、未来の医療技術を創る。

 

<カリキュラム>

 1年次は生命工学科とほぼ同じだが、物理学が力学と電磁気学概論に分かれているので、レベルは少し高いかもしれない。また、プログラミングを履修する。2年次は量子力学、熱統計力学、電磁気学応用などを履修する。3・4年次は専門科目になる。

 理学部物理学科で量子力学を学ぶ人は限られるが、理系で量子力学を全く勉強しないのは寂しい。「専門ではないけど量子力学を学んだ。」というのが無難かもしれない。この学科には興味を惹かれる。

 

<進路>

 医療機器メーカー、ゼネコン、自動車メーカー、大学院など。

 

応用化学科

 化学物質の構造や機能を理解し、新しい物質・材料を創出する。

 

<カリキュラム>

 1年次は応用化学、物理化学、無機化学、有機化学などを履修する。数学のアップグレードは工学部共通。2年次は、量子化学が加わってくる。3・4年次は専門科目を学ぶ。

 化学は嫌いだ。

 

<進路>

 化学メーカー、自動車メーカー、大学院など。

 

化学物理工学科

 化学と物理の総合的理解をベースに、エネルギー・環境等の地球規模の課題を解決する。

 

<カリキュラム>

 1年次は、高校で習った物理・化学・数学をアップグレードする。2年次は、「物理学科ですか」と思うくらい、物理科目を履修する。3・4年次は専門科目を履修する。

 応用化学科よりは、明らかに自分の関心領域だ。

 

<進路>

 各種メーカー(業種は幅広い)、大学院。

 

機械システム工学科

 ハードとソフトを融合した次世代ハイパーマシンを創造する。

 

<カリキュラム>

 1年次は、力学や微分方程式、機械システムデザインなどを履修する。2年次後期から「航空宇宙・機械科学」と「ロボティクス・知能機械デザイン」の2コースに分かれる。

 ロボティクス・知能機械デザインコースは面白そうだ。

 

<進路>

 各種メーカー(業種は幅広い)、大学院。

 

知能情報システム工学科

 コンピュータサイエンス、先端デバイス技術、プログラミング、次世代通信技術、人工知能技術、ロボティクスなどを学ぶ。

 

<カリキュラム>

 1年次は、数学(微積分、微分方程式、線形代数)、プログラミング、電気回路等を履修する。2年次から「数理情報工学」と「電子情報工学」の2コースに分かれる。

 数学が一番キツそう。

 

<進路>

 通信会社、各種メーカー、銀行、ゲームメーカー、大学院。

 

工学部を目指すか、工学部のどの学科を目指すか

 東京農工大学の「2024年度大学案内」(デジタルパンフレット)のおかげで、工学部の中で、自分の個人的関心にマッチするのは生体医用システム工学科、化学物理工学科、機械システム工学科(ロボティクス・知能機械デザインコース)であることがわかった。

 オッサンの関心とマッチする学科がわかってもしょうがないが、このデジタルパンフレットを見ると、誰でも自分の関心にマッチする学科がわかることを言いたいのである。

 

 2023年の同大学オープンキャンパスは、8月3日・4日と11月12日に行われている。高校生になったら、高1の時に大学のオープンキャンパスに行った方がいい。理系コースか文系コースか、物理か生物か、この選択を考えたら、高1の夏のオープンキャンパスは外せない。

 

 東京農工大学のデジタルパンフレットで一つだけ気になったのは、工学部の各学科で学生達の写真が掲載されているのだが、女子学生の比率がそこそこ高いのかなと錯覚しそうな点である。学科別の合格者男女比は以下の通りである:

 

生命工学科:
 男子47.9% 女子52.1%

生体医用システム工学科:
 男子58.2% 女子41.8%

応用化学科:
 男子59.1% 女子40.9%

化学物理工学科
 男子77.4% 女子22.6%

機械システム工学科
 男子83.1% 女子16.9%

知能情報システム工学科
 男子87.2% 女子12.8%

 

 最後の学科の写真はおかしいでしょ!