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子供が筑波大学オープンキャンパスで”すべった”理由

 先日、筑波大学社会工学類のオープンキャンパスに娘と一緒に行ってきた。残念ながら、思っていたような「確信」には至らなかった。いや、むしろ「すべった」と言った方が近いかもしれない。

 

一貫性がないと感じたオープンキャンパス

 参加していた高校生たちの質問に対し、教授陣が返す答えには、共通した軸のようなものが感じられなかった。

「この学類はどういう学生を求めていて、どんな教育をするのか?」ーーその問いに対する明確なメッセージが見えづらかった。

 娘はそれを「なんかぶれてる」と感じたようだ。

 

 だが、帰り道やその後の会話でわかってきたのは、オープンキャンパスに行く前から、娘の中には“迷い”が生まれていたということだった。

 

将来の職業が明確にイメージできない

 娘のまわりには、理系志望の友人が多い。彼女達は、進学とその先の職業がまっすぐにつながっている。

  • 医学部医学科 → 医師

  • 薬学部 → 薬剤師

  • 放射線科 → 放射線技師

  • 獣医学部 → 獣医師

 わかりやすく、社会的にもはっきり認識されている職業ばかりだ。

 

 一方で、データサイエンスの進路はどうか。

 企業、官庁、自治体、学校法人など、活躍のフィールドは広いが、「○○士」のような職業に直結しているわけではない。社会に出たことのない高校生にとっては、どうしても職業のイメージが湧きにくい。

 

 周囲が「具体的な未来」に向けて一直線に進んでいるように見える中で、娘はふと、「自分だけ取り残されている気がする」と感じてしまったのかもしれない。

 

データサイエンスは選べる自由のある進路

 確かに、資格職のようなわかりやすさはない。でも、データサイエンスはむしろ可能性の広さが特徴だ。

 就職においても、データサイエンス系の学生は、文系学生と同じように幅広い企業にエントリーできる。専門性がある分、より実務的な力を期待されるのではないかと思う。

 もちろん、最終的にはコミュニケーション能力や論理力、行動力といった“人間力”も問われる。ただ、職業が限定されていないからこそ、自分の志向に応じて将来像を柔軟に描けるという強みもある。

 

文理どちらにも軸足を置く娘の特性

 娘は、文系科目も理系科目もバランスよく好きだ。

 実験にはそこまで興味がないが、チームで議論してアイデアを出し、プレゼンとしてまとめて発表することには、自然と熱が入る。いつの間にかチームのリーダー的役割を担っていることも多い。

 そうした特性を見て、自分は「社会工学類こそ向いているのでは」と考えた。社会課題をデータで分析し、仮説を立て、戦略を立てていく——

 それはまさに、娘が得意とする「まとめ役」「発信役」としての力が生きるフィールドだと思った。

 

教授達の発言に動揺した真の理由はまだ「確信」していなかったから

 今思えば、教授陣の“バラバラな回答”に戸惑ったのも、自分の中に「この進路で間違いない」という確信が持てていなかったからかもしれない。もし確信があったら、教授たちの多様な語り方にも動じなかっただろう。

「ブレて見える」という感覚は、自分の軸がまだ定まりきっていないからこそ生まれたのかもしれない。

 

出遅れへの焦り、でも必要な時間か

 娘自身、「高2の夏までに第一志望を決めないと、出遅れてしまう」という感覚は持っている。

 でも、いま揺れていることには意味があると思う。この「揺れ」の中でこそ、自分の問いが見えてくる。無理やり納得するのではなく、時間をかけて自分の言葉にしていけばいい。

 

つくばの社工が問いかけているもの

 オープンキャンパスで教授たちの答えがバラバラだったのは、ある意味では正直な姿だったのかもしれない。社会工学とは、「答えのない問い」に挑む学問だからだ。

 筑波の社会工学類は、そういう学生を待っているのだと思う。そして娘は、そんな場所にとてもよく似合う人間だと自分は信じている。