公立ルートを行く

公立上位校から学歴ピラミッドのスイートスポットへ

学歴ピラミッドのスイートスポットは描くストーリーによって変わる(#4)

前回までの話

 学歴ピラミッドは、人々に共有されてきた価値体系のようなもので、ピラミッドの高い方にいれば、一流企業や官公庁へのパスポートになっていた。しかし、一流企業・官公庁に入る=成功ストーリーではなくなり、価値体系の根幹が揺らいでいる。

 成功ストーリーは与えられるものではなく、自分で描く時代になった。自分のストーリーを描き始める前提として、多くの経験の蓄積が必要になり、材料が揃ったところで、何らかの偶然や出会によって、ストーリーの組み立てが始まる。

 学歴ピラミッドのスイートスポットとは、(1)公立上位校の生徒が学業と部活動を両立させながら到達できる入試難易度で、(2)一生モノの思考の軸を獲得でき、(3)その学びがキャリア形成に繋がっていき、(4)大学入試では偏差値プレミアムを払わなくていい大学・学部を指す。

 

 このシリーズも最終回。最後に言いたいこと。学歴ピラミッドはそう簡単には変わらない。しかし、その体系の中にはスイートスポットが存在する。そして、スイートスポットは個々人によって変わるのではないかということだ。

 

スイートスポットの一例

 高2娘の場合、幼少の頃から高校生の今に至るまで、今この瞬間にあることに全力で取り組むタイプだったので、大学での学びそのものがキャリア形成につながるようにしたかった。理系がすぐに思い浮かんだが、実験をずっとやっていて楽しいと思うタイプではなかった。一方で、弁護士・会計士・薬剤師のような資格を持った職業にも興味がない。型にハマった生き方に見えたようだ。

 娘が最も優れているのはコミュ力。相手が無意識に求めていることを話すし、自分の考えもうまく伝えるので、人が自然に集まってくる。興味のある話を1時間聴いたら、それを10分版や20分版の面白い話に仕立ててしまう。理系コースを進んでいるが、主要教科で一番得意な科目は国語と英語なのである。

 娘の話には文系思考と理系思考の両方が交差していた。娘の場合、文系と理系で分断されている領域で、両方の世界の橋渡しをするポジションが合っていると思った。そして、理系寄りの文理融合型学部がターゲットとして見えてきた。

 娘が自分の推奨をそのまま受け入れたのは、文理融合型学部での学びを通じて、自分のストーリーを描けるかもしれないと直感したのだと思う。

 娘にとっての学歴ピラミッドのスイートスポットは文理融合型学部なのである。

 

高校の大学合格実績はどこを見たらいいのだろう

 このブログでは、神奈川県の公立上位校の教育課程、入試難易度、大学合格実績を独自の視点で見る記事を書いている。しかし、学歴ピラミッドのスイートスポットは、それぞれの生徒が描くストーリー、あるいはその前段階として培ってきた要素によって変わるので、大学合格実績のどこを見たらいいのか、書いていて言うのも何だが、実はこれが難しい。

 本ブログでは、国公立大学(難関ゾーンは原則として除く)をスイートスポットの中心地帯としている。高校時代に文理両方の科目を一定レベルで習得した証になるからだ。大学での本格的な学びの土台として、この価値は大きいと考えている。

 ただ、スイートスポットが国公立大学に限定されるわけではもちろんない。