公立ルートを行く

公立上位校から学歴ピラミッドのスイートスポットへ

学歴ピラミッドのスイートスポット(#2)〜自分のストーリーを描く

前回までの話

 学歴ピラミッドは実体として存在するわけではないが、多くの人に共有されてきた価値体系のようなものだ。高い学歴が一流企業や官公庁へのパスポートになり、それがピラミッドの価値の源泉でもあった。しかし今や、一流企業は成功ストーリーを保証するものではなくなった。学歴ピラミッドという価値体系の根幹が揺らぎつつある。

 

自分のストーリーを描く

 一流企業が成功ストーリーを与えてくれなくなったので、自分独自のキャリア形成の物語、すなわち「自分のストーリー」を描く必要がある。大学進学は、自分のストーリーを作る過程の中に位置付け直されるべきものになった。

 

 自分のストーリーは、いつ頃から具体的な形を持ち始めるのか。ドジャースの大谷翔平選手は、高校時代にマンダラチャート(目標達成シート)に自分の未来を書き出した。アップル創業者のスティーブ・ジョブスは、スタンフォード大学の卒業式で行ったあの有名なスピーチから考えると、高校時代はまだ具体的なストーリーを描いていなかった。

 自分のストーリーを描くタイミングは人それぞれと言えそうだ。

 

ストーリーを描く前段階

 ストーリーを描き始めるには、その前段階として何が必要なのか。幼少期から10代にかけて、できるだけ幅広い経験をして、自分の関心・興味の対象がどこにあるのか、あるいは自分の強み・特徴がどこにあるのかを掘り下げて考え、自己認識することがまず第一歩になる。また、描くストーリーによっては、学びを通じて豊富な語彙、理数系の素養、コミュニケーションスキルなどの基礎的な能力を身に付けて土台を形成することも必要になる。

 その上で、色々なことに挑戦し、試行錯誤しながらやり抜いた成功体験を持つ。憧れの対象(ロールモデル)を持つことも重要だと思う。

 

大学受験は自分のストーリーを描き始める前にやってくる

 多くの高校生にとって、大学受験は自分のストーリーを描き始める前に訪れる。でも、ストーリーを描くための材料は高校卒業までに揃っている。大学進学後は、その材料をもとに自分のストーリーを組み立てる段階へと移る。そしてその組み立ては、多くの場合、偶然の出会いをきっかけに一気に具体化するのではないかと思う。