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慶應SFCを考える〜第5回:5つの評価軸で総まとめ

 高2娘の併願私立の候補として、慶應SFC(環境情報学部と総合政策学部)を考える本シリーズ。

 第1回:入試適性
 第2回:キャンパス環境
 第3回:卒業後の進路
 第4回:費用
  学びは別のシリーズで先に取り上げた。

 最終回(シリーズ第5回)は、入試適性・学び・キャンパス環境・進路・費用の5つの評価軸で総まとめをする。

 

入試適性

 小論文200点(50%)と選択科目200点(50%)。選択科目は英語1本でいくか、英数2科目でいくかの選択になる。

 小論文は、総合政策学部の方がオーソドックスで対策しやすそうだが、環境情報学部の方はトリッキーな部分があり、また受験生の創造性を問う分だけ、入試本番でのひらめきが鍵を握る。

 慶應SFCを受験するなら、両学部を併願するだろう。

 

学び(カリキュラム)

 専門性を深めるよりも、分野横断的な思考(越境性)を育てるのがSFCの特徴であり、PBL(Project Based Learning)を通じてそれを実践するカリキュラムになっている。

 この「越境性」は、他の大学・学部ではなかなか体験できないもので、自らのキャリアを切り開いていくタイプの人にとっては、強力な武器になる。

 

キャンパス環境

 神奈川県藤沢市の湘南台という駅からバスで約15分。筑波大学のようなスケール感はない。一方で、SFC独特の文化圏が成り立っているように思う。

 学生のバックグラウンドついては、一般選抜で入ってきた学生が圧倒的に多く、入試を考えれば、個性豊かな人が多いだろう。

 我が家(高2娘)の場合は自宅通いができるし、都心とかには関心がないので、総合的にはOK(問題なし)の評価になる。

 

進路

 大学院進学率は、環境情報学部18.8%、総合政策学部8.8%と高くはなく、学部卒での就職が主流だが、就職力で上位層(1/3)の学生は、人気のある大手企業・コンサルなどに進む。

 

費用

 物価スライド制を導入しているので、年々上昇している。2025年度入学の場合、学部4年間で632万円、修士課程に進む場合(その頃には学費は上がっているだろう)は学科によって異なり、2年間で320万円(政策・メディア研究科)や400万円(メディアデザイン研究科)になる。

 文系学部と理系学部の学費のやや理系寄りの学費といった感じで、コスパはあまりよろしくない。

 

両学部を併願する

 第1志望である筑波大学社会工学類の学校推薦型選抜を狙う場合、慶應SFCの小論文対策がプラスの効果を生みそうなので、迷わず併願を選ぶ。一方で、社会工学類の一般選抜に絞る場合には、慶應SFCの小論文対策は余計な負荷になる。しかし、このケースでは慶應SFCを併願候補から外すかとなると、そうもならない。

 このシリーズをやり終えて、慶應SFCの教育スタイルと娘の相性は悪くないと思い始めている。