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慶應SFCの小論文

「慶應SFCを考える」シリーズの第1回で入試適性を取り上げたが、今回は番外編として、小論文過去問がどういう内容なのかを見ていきたい。

 環境情報学部と総合政策学部では、小論文問題の内容がだいぶ違う。2025年度と2024年度の問題を順に見ていくと、それがよくわかる。

 

環境情報学部

 2025年度は、近代科学の方法論をテーマにした論説と、大規模言語モデル(生成AI)に作らせた3つの要約文が与えられた。最初の要約文に付けられたタイトルを参考に、残りの要約文にもタイトルをつける問題が出された。さらに、仮説演繹法について自分の考えを展開し、選んだテーマに適用してみる問題もあった。

 

 2024年度は、慶應SFC(両学部)の過去問(小論文と数学)と解答例が与えられ、出題意図などを問う問題が出された。さらに、近未来の入試制度を考えるためのコンテスト(ミニ試験実施)を仮想して、どんなミニ試験を提案するかを考える問題もあった。

 

 環境情報学部の場合、受験者の創造性や独自の考え方が問われる。

 

総合政策学部

 2025年度は、論説や戯曲の一節、ChatGPTの回答、米国政府や金融機関の資料など8つを読み、3つの問いに答える問題だった。求められる力は、資料の整理や総合、論理的な考え方で、環境情報学部に比べると、創造性はそこまで問われない。

 

 2024年度は、IMFやJSTのレポート、論説など5つの資料を読み、日本経済を活性化する方法を考える問題だった。

 

 総合政策学部の場合、資料内容の分析、整理、関連付けをしたうえで、自分の意見につなげていく能力が問われる。

 

所感

 対策しやすいのが総合政策学部、チャレンジしたくなるのが環境情報学部といった印象。問題の相性もあるので、両学部を併願したくなる。