公立ルートを行く

公立上位校から学歴ピラミッドのスイートスポットへ

進学重点校2校の受験者平均と標準偏差を推定する

 国公立大学の入試結果では、入試倍率・ボーダー・合格者平均が公表されるのが一般的。正規分布を仮定(正しくはない)すれば、受験者平均と標準偏差(得点のばらつき具合)を推計できる。

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 今回は、神奈川県の学力向上進学重点校に指定されている厚木高校と多摩高校の入試結果にこの手法を使ってみる(ChatGPTに受験者平均と標準偏差を計算してもらう)。両校は偏差値的には同レベルだが、入試倍率が大きく異なる。合格者平均やボーダーは多摩高校の方がかなり高い。

 

厚木高校

入試倍率 1.13
S値合格者平均 985
S値ボーダー 938

 

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推計結果:

受験者平均 973.0
標準偏差 24.1

 

多摩高校

入試倍率 1.61
S値合格者平均 992
S値ボーダー 955

 

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推計結果:

受験者平均 960.7
標準偏差 25.5

 

 入試倍率1倍台ということは、受験者平均付近に受験者=合格者が一番多く分布していると考えられる。高校入試は大学入試よりも倍率が低いため、ボーダーでカットオフ(切断)される範囲が狭く、母集団の平均付近の得点帯がそのまま合格者分布の山になる。

 

 厚木高校の受験者平均は973点(S値)、多摩高校の受験者平均は961点という推計結果が出た。つまり、厚木高校の合格者分布の山は、多摩高校のそれよりも12点だけ右側にある。

 

 多摩高校の方が入試倍率が高いので、厚木高校よりも合格者平均は高くなるし、ボーダーラインも高くなる。合格者平均とボーダーだけを見ると、多摩高校の方が厚木高校より入学者全体の学力レベルがかなり高くなっているように見えてしまうが、実はそうでもなく、まぁ同じくらいであると考えた方が良さそうだ。