自分のベスト校戦略。今定義すれば、「現在の学力、性格(集中力や持続力など)、興味や関心などを踏まえて、適正校=自分のベスト校を特定し、その合格のために最適な学習プランを構築・実行すること」となる。
子供の受験に関して、なぜこの戦略に行き着いたのか。たとえば、受験で合格確率50%の学校を受けるとする。この場合、50%の確率で子供の歓喜の笑顔、50%の確率で落胆した顔を見ることになる。落胆の顔を見る確率が50%というのは、自分の感覚では高過ぎる。やっぱり、合格確率70%ぐらいは欲しい。これが「自分のベスト校戦略」が生まれた根本の理由だ。
国公立大学の入試倍率はおおむね3倍。3人に2人が不合格になる計算である。もし全員が「合格可能性65%以上の大学」を選んだなら、全体の合格率が6割以上になってもおかしくない。だが現実はそうはならず、3分の2が落ちてしまう。なぜそうなるのか。
大学受験の志望校を検討するとき、挑戦校、適正校、安全校を決め、挑戦校の合格に向けて受験勉強をするパターンが多いのではないだろうか。自分はこれがよろしくないと思う。
そもそも国公立大学の前期日程は一つしか受けられない。後期日程では、大学のレベルを2ランク下げないと厳しい。となると、適正校を受ける機会がなくなってしまう。
大学受験は、本来的には戦略的行動だ。戦略の肝は、達成可能なゴールを設定することであり、適正校を目標に設定することで戦略となる。挑戦というと聞こえはいいが、挑戦校を目標に設定すると、受験が戦略的行動にならない。国公立大学で3人に2人が落ちる理由は、このあたりにある。
では、挑戦校ではなく適正校をどうやって特定するか。大手予備校などは「背伸びした夢」を見させる。高校の先生は、担当教科についての学力は把握しているが、全体の学力や特徴(集中力や持続力など)は把握していない。
実は、受験生本人よりも、塾よりも、高校よりも、親が一番多くの情報を持っている。何年にもわたって成績の推移、得意・不得意、集中力、生活リズムなどを見てきたのは親だけだ。
子供本人が自己分析に優れているタイプであれば問題はないが、自分のことを客観的に評価するのは難しい。だからこそ、子供が適正校を選ぶには、親の支援が大きな意味を持つ。日々の定期テストや家庭学習の様子を見れば、到達可能なゴールはかなり高精度で予測できる。
ここが戦略的行動の肝であり、まさに自分のベスト校戦略の本質である。到達可能なゴールを見極め、最適な学習プランを組み、計画的に行動すること。それが、合格の可能性を最大化する唯一の方法だ。