大学で何を学ぶか。理系に比べたら、文系学部の学習負荷は少ない。そのおかげで、何か別のことができる。
大手企業に就職する選択肢を保持しつつ、何か好きなことに挑戦できる。何かの資格(会計士、弁護士など)を目指す、漫画を描く、小説を書く、演劇をする、登山をする、ちょっとしたビジネスを立ち上げる、などなど。
しかし、最近の就職戦線では、大学3年の夏に第一志望の会社のインターンシップに参加するのが定番になっている。採用プロセスは実質的に始まっている。大学1、2年で何をしてきたかを問われるので、採用者に受けの良さそうな活動をする学生もいると思う。インスタに写真を上げて「いいね」をもらうために、実はそれほど興味もない場所に行ってポーズを決めるようなものだ。
人気企業は、大学3年夏のインターンシップ参加なんて求めないかもしれない。学生を囲い込む必要がないから。その代わり、採用倍率がメチャ高い。
大学の4年間は相当長い時間のはずだが、就職戦線が早期化しているので、勉強以外に好きなことに挑戦する余裕は実はそれほどない。
戦略的に留年する選択肢はある。就活を1年遅らせて、その間に何かをする。
文系の就職戦線の早期化は、学生数の減少に起因していると思う。つまり、売り手市場になっている。企業側は優秀な人材を取りたいので、できるだけ早く囲い込みをしようとする。インターンシップに参加したらその会社のことがわかるなんてことはまずない。採用活動解禁前に学生と接触する方便でしかない。学生側もそれはわかっている。狐と狸の化かし合いだ。
結局、新卒採用者の3割は3年以内に辞めちゃうわけで、お互いに何やってたんだろうってことになる。
大企業も通年採用になるんじゃなかろうか。新卒2、3年目をターゲットにした中途採用市場も活発化していそうだしね。