公立ルートを行く

娘が選んだのは公立ルートだった。親は制度と現実を見てちょっと整えるだけ。

慶應経済はなぜA方式とB方式を併存させるのか

 前回、慶應経済の入試制度改革(2007年度入試から小論文休止)を取り上げた。それ以来、慶應経済がA方式とB方式を一本化しなかった理由を考えている。

 

 早慶(文系)の入試ルートは大きく4つある。附属校ルート、指定校推薦ルート、AO入試ルート、一般選抜ルートだ。難関大学というと、一般的には難関国立10大学+早慶を指すようだが、難関国立大学に附属校ルートや指定校推薦ルートはない。総合型・学校推薦型選抜についても、入学後の教育プログラムに耐えられる学力があるかどうかが評価される。

 

 早慶(文系)の場合、複数の入試ルートから多様な学生が集まってくる。数学一つをとっても、超得意な人もいれば超苦手な人もいるだろう。早慶(文系)は、多様な学生を多く集めて、その中から一定の確率で社会で大活躍する人材が生まれるシステムなのではないかと思う。ここでは早慶人材輩出システムとでも言っておく。

 社会に出て活躍するファクターは多様なので、上手いシステムだと思う。

 

 早慶(文系)の学生に平均像はない。早慶ブランドがあれば就活で有利といっても、早慶の学生の中での競争に勝たなければならない。

 実はこれがタフな人材を育むのかもしれない。

 

 慶應経済の一般選抜は、難関国立大学にあと一歩のところで届かなかった受験生と慶應経済を熱望する私立文系の受験生を集めることが狙いだと思う。早慶人材輩出システムを維持するためには、A方式とB方式を一本化するより、併存させる方が良さそうだ。

 しかし、英数か英社の2科目試験(共通テストなし)は、難関大学の一般選抜としては軽量すぎる。一般選抜だけを切り取ると、どうしてもそう見える。