今年の2月中旬頃、ある人とのランチでの会話で、お子さんが早稲田の法学部に受かってとりあえずほっとしているみたいな話があった。「それって共テ利用ですよね、80%台後半ですか」と聞いたら、90%オーバーで早稲田政経は落ちたとのこと。
このランチの後、早稲田政経の考え方がわかった気がした。共通テスト得点率90%でも不合格にする。早稲田政経の共通テスト利用入試は、東大や京大にほぼ受かるであろう受験生に保険を売っているようなものだ。こんな保険を売るメリットは何か。受験料も入るけど、共通テスト得点率90%でも合格できないというブランディングではないだろうか。
共通テスト得点率85%でも合格を出せばいいのにと思うが、もし共通テスト利用入試の合格ラインをこの辺りに設定すると、東大・京大が第1志望の受験生は早稲田に来て学部別入試を受けなくなる。第1志望は最難関国立大学であっても、早稲田に入学するなら早稲田に来て入試を受けろ、ということだと自分は思う。
早稲田政経は共通テストの数学IAを必須化したが、「なぜ数学IIBCも必須化しないのだろう」と不思議に思っていた。これも、私立文系で早稲田政経を第1志望にする受験生にチャンスを与えるためだと思う。
早稲田政経は国立大学入試との接続を良くしたが、譲れないものは譲らない。ギリギリのところでブレないスタンスはカッコいい。
東大・京大・一橋にあと一歩で不合格になった受験生を受け入れ、早稲田政経を第1志望にする受験生を受け入れる。早稲田政経はやっぱり凄い。