千葉大学 情報・データサイエンス学部(以下、千葉情報DS)は、自分の知る限り、データサイエンス学部として典型的な理系入試を実施する唯一の存在だ。
横浜市立大学、滋賀大学、一橋大学のデータサイエンス学部の入試制度と比べてみよう。
共通テスト
千葉情報DSは6教科8科目で、理科は物理と化学の2科目指定。
理系フルコースで物理必須。
横浜市立大学データサイエンス学部(以下、横市DS)は5/6教科7科目で、地歴・公民・理科から2科目を選ぶ。理科基礎2科目で1科目カウント。
軽量タイプ。
滋賀大学データサイエンス学部(以下、滋賀DS)は6/7教科8科目で、地歴・公民・理科から3科目を選ぶ。理科基礎2科目で1科目カウント。
文系/理系両パターンOK。
一橋大学ソーシャル・データサイエンス学部(以下、一橋SDS)は6/7教科8科目で、地歴・公民から1又は2科目、理科から2又は1科目。理科は基礎2科目で1科目カウント。
文系/理系両パターンOK。
個別学力検査(2次)
千葉情報DSは、数学(数IIIを含む)、理科(物理、化学)、英語。
典型的な理工学部の2次。
横市DSは、数学(数IIIを含む)、英語、総合問題(図表データの読み取り)の3科目。
理科なし。
滋賀DSは、数学(数IIIを含む)と英語の2科目。
数IIIを含むので文系ではないが、軽量タイプ。
一橋大学SDSは、国語、数学(数IIIなし)、英語、総合問題の4科目。
地歴が総合問題に置き換わった文系重量タイプ。地歴がないので、理系でも受けられる。
これだけ入試制度が違うと、千葉情報DSと他の大学の偏差値を比べる意味がない。
2024年度入試結果(前期日程)
募集人員90人に対して受験者368人、合格者102人(実質倍率3.61倍)。
合格最低点は712点(1350点満点、共テ450点、2次900点)。河合塾ボーダーは偏差値57.5、共テ74%。共テ配点450点×74%=共テ得点333点と仮定すると、2次得点は379点(得点率42.1%)。
合格者平均は762点。共テ配点450点×76%=共テ得点342点と仮定すると、2次得点は420点(得点率46.7%)。
この入試は逆転が多そうだ。共テの配点割合が低く(33.3%)、2次の得点率が50%未満と低い。
高校の理系コースで物理・化学を仕上げてきた受験生がデータサイエンス系の学部を受けるなら、千葉情報DSが有力な候補であることは間違いない。