今回は、筑波大学 社会・国際学群の一般選抜について見ていきたい。筑波大学の一般選抜は、総合選抜(入学時に学群・学類を決めず、2年時に各学群・学類に移行する入試制度)と学類・専門学群選抜(入学時に学群・学類が決まっている入試制度)の2種類がある。
総合選抜文系の概要
共通テストは6/7教科8科目で文系フルコース。個別学力検査(2次)は国語、地歴・公民/数学、英語の3科目(それぞれ120分)。配点割合は共テ950点、2次1500点(3教科各500点)の計2450点。
数学が必須ではないが、2次の各科目の試験時間は120分と重量級だ。
学類・専門学群選抜の概要
<社会学類>
募集定員40名(同学類の募集定員全体の50%)。共通テストは6教科6科目の軽量タイプ。地歴・公民1科目、数学は数学IAまたは数学IIBCを選択。また、個別学力検査(2次)は、国語/地歴/数学から1科目と英語の2科目。配点割合は、共通テスト950点(理科の配点が100点と少ない)、2次1600点(2科目各800点)の計2550点。
総合選抜文系よりも科目数が少ないので、偏差値は上がる。地歴・公民1科目なので、理系でも受けられる。しかし、数学の負荷も下げる狙いは見えない。
<国際総合学類>
募集定員36名(同学類の募集定員全体の45%)。共通テストは6教科7科目で、地歴・公民は1科目だが数学は2科目になる。個別学力検査(2次)は、国語/地歴/数学/理科から1科目と英語の2科目。配点割合は、共通テスト1050点(理科の配点が200点)、2次1600点(2科目各800点)の計2550点。
社会学類と比較すると、共テでは数学と理科のウエイトを上げ、2次では理科を選べるようにしている。国際総合学類は国際関係学主専攻と国際開発学主専攻があり、後者には環境情報分野などの文理融合領域のカリキュラムがある。
難易度比較
(河合塾ボーダー偏差値/共テ得点率)
総合選抜文系 60.0/77%
社会学類 65.0/81%
国際総合学類 60.0/78%
社会学類は科目を減らした分、偏差値が高くなっているが、それにしても高い。
総合選抜文系の2年次の優先受入人数
総合選抜文系の募集人員は126名。1年次の成績等により、例えば応用理工学群に移行することも一応可能(実際には少ないだろう)。人文・文化学群の優先受入が60名(47.6%)と多い。社会・国際学群の優先受入は社会学類16名で、国際総合学類の優先受入はない。
社会学類を目指す場合は総合選抜文系と学類・専門学群選抜を天秤にかけて得意な方を選ぶことになる。国際総合学類を目指す場合、共テで数学2科目を選ぶのに問題がなければ、学類・専門学群選抜を選ぶ方が良さそうだ。
社会学、法学、政治学、経済学の4分野を一つの箱に入れてしまったのが筑波大学の社会・国際学群で、社会科学の広い領域を横断的に学びたい人には最高の場所かもしれない。