今回は、早稲田大学文系学部のうち、政治経済学部、法学部、商学部、社会科学部、文化構想学部の学部別入試(2025年度)の概要を見ていきたい。
政治経済学部
(政治学科100名、経済学科140名、国際政治経済学科60名)
共通テスト(4科目)100点、総合問題100点の計200点。共通テスト利用は、国語、数学IA、英語の3科目が必須で、地歴・公民、数学IIBC、理科(基礎2科目)、情報から1科目を選択する。総合問題(120分)については、データ分析、英文読解、自由英作文が出題されるようだ。
河合塾ボーダー
偏差値67.5-70.0、共テ85-87%
国公立文系志望の受験生が併願しやすい入試制度だ。私立文系コースの受験生にとって数学IAが余計だが、配点割合は12.5%なので狙えないわけではない。但し、ハイスコア競争になるのではないかと思う。2024年度入試結果を見ると、実質倍率が2.85倍と低いのが不気味だ。
この入試制度だと、横国経済/経営と併願する受験生も結構いそうだ。
法学部(350名)
国語(33.3%)、地歴・公民または数学(26.7%)、英語(40.0%)の従来型3科目入試。数学(IAIIBC)は共テ利用。
河合塾ボーダー偏差値67.5
政経学部が国公立文系入試との接続を強めたため、政経学部と法学部を併願する受験生は少なくなっているように思う。法学部は学問的に大きく変わらないんだろうね。
商学部
(地歴・公民型390名、数学型150名)
地歴・公民型は、国語(30%)、地歴公民または数学(30%)、英語(40%)の従来型3科目入試。数学型は、国語・数学(IAIIBC)・英語の3科目で各33.3%。
河合塾ボーダー偏差値
地歴・公民型67.5
数学型65.0
難関国立大学が第1志望の受験生と私立文系専願の受験生の両方を意識した入試制度だ。地歴・公民型と数学型の募集人員を半々にすれば良いと思うのだが。
社会科学部
(総合問題型270名、数学型100名)
2025年度入試が大きく変わる。従来型3科目入試から、共通テスト利用3科目(120点)+英語独自問題(60点)+総合問題または数学独自問題(60点)に変更となる。共通テスト利用は、国語と英語が必須で、地歴公民/数学/理科(基礎2科目)から1科目選択。
河合塾ボーダー
総合問題型:偏差値70.0/共テ85%
数学型:偏差値67.5/共テ87%
政経学部と社会科学部を併願するパターンが増えそうだ。一方で、入試制度の大幅変更による志願者減少が予想される。しかし、どうしてこんなに大きな改革をするんだろうか。自信がないとできない。
文化構想学部
(一般選抜330名、英語4技能テスト利用方式110名)
一般選抜は、国語(37.5%)、地歴25% 、英語(37.5%)の従来型3科目入試。英語4技能テスト利用方式は、英語スコアが基準(英検の場合、CSE2200以上)を満たしていれば、国語(60%)と地歴(40%)の2科目入試。
河合塾ボーダー偏差値67.5
日曜日の9時−12時にJ-Waveで「ACROSS THE SKY」という番組が放送される。時々、ドライブしながら聴くことがあり、ナビゲーターの女性が知性豊かだなと思って調べたら、小川紗良さんという人で、この学部のOBだった。
私立文系の従来型3科目入試はまだ残っているが、新しい入試制度に変わりつつあるのがわかる。社会科学部が要注目だ。