今回は、MARCH商・経営学部の学部別入試(2025年度)の概要を見ていきたい。
私立大学入試のメインは学部別入試。大学入学共通テスト利用入試、全学部統一入試、英語外部試験利用入試などもあるが、併願できるからといっていろいろ受けると受験料が膨らむ仕組みになっている。英語外部利用入試の出願要件がそれほど厳しくないのも、そういうこと。
明治大学商学部
(募集382名)
出願時の学科選択はない。2年次から経営学科、会計学科、公共経営学科に分かれる。
これが普通でしょ。学科の分け方もいいですね。
従来型の私立文系入試(国語、地歴公民/数学、英語の3科目)。英語4技能利用方式は、英検2級以上の資格があれば出願でき、英語の配点を高くすることができる。
英語の配点割合42.9%(英語4技能利用は54.5%)
ボーダー偏差値60.0(河合塾)
明治大学経営学部は今回取り上げなかった。
青山学院大学経営学部
(経営学科AB方式合計200名、マーケティング学科AB方式合計100名)
共通テスト一部利用+英語独自問題の入試。共通テストの指定科目でA方式とB方式に分かれる。A方式は国語が必須で数学は選択扱い、B方式は、数学が必須で国語は選択扱い。
英語の配点割合50.0%
ボーダー偏差値
経営学科57.5
マーケティング学科57.5
英語の配点割合50%は高過ぎでしょ。
立教大学経営学部
(経営学科128名、国際経営学科78名)
従来型の私立文系入試だが、英語は共通テスト利用か英語資格スコア提出の2択になる。
英語の配点割合42.9%
ボーダー偏差値
経営学科65.0
国際経営学科62.5
偏差値65は高い。実質2科目入試であるのと、募集人員が少ない(一般選抜ルートでの入学者は全体の40%程度)ことが理由として考えられる。
中央大学商学部
(経営学科150名、会計学科155名、国際マーケティング学科140名、金融学科55名)
従来型の私立文系入試。英語外部試験利用方式(英検の場合、CSE2150以上で出願可)は2科目入試(国語と地歴公民/数学)。
英語の配点割合42.9%
ボーダー偏差値
経営学科57.5
会計学科55.0
国際マーケティング学科55.0
金融学科57.5
フレックス・コースとフレックス・Plus1コースに分かれている(後者の方が入学後の語学の必履修単位数が少ない)。学科も4つに分かれていて、ちょっと細いな〜。
法政大学経営学部
(経営学科326名、経営戦略学科237名、市場経営学科218名)
従来型の私立文系入試。中央大学と同じく英語外部試験利用方式がある(英検の場合、2級以上合格で出願可)。
英語の配点割合42.9%
ボーダー偏差値
経営学科60.0
経営戦略学科55.0
市場経営学科57.5
経営学科と経営戦略学科って分けるものかな。市場経営学科とは何ぞや。だんだん辛口批評になってきた。
明治・中央・法政は従来型の私立文系入試だが、青学は共通テスト一部利用+英語独自問題で、立教の英語は共通テスト利用か英語資格スコア利用(英語試験なし)。青学経営と立教経営を併願する受験生は少ないだろうね。
MARCH商・経営学部の学部別入学試験で共通するのは、英語の配点割合が高いこと。青学50%、残りの4大学が42.9%。「英語を制する者が大学受験を制するということですか」と言いたくなる。しかし、これだと局地戦だ。準難関国公立大学(横浜国大など)が第1志望で共通テスト対策をしている受験生は不利になる。「数学IA、数学IIBC、化学基礎、物理基礎/生物基礎、情報を勉強する必要はなかったじゃん」では何かがおかしい。
MARCH商・経営学部が受験ルートの合流地点のようにも見えてきた。高校受験でMARCH附属校に進んで推薦合格をゲットした人、高校受験で進学校に進んでMARCHの指定校推薦をゲットした人、進学校の私立文系コースに進んでMARCHの一般選抜に合格した人、進学校の国公立文系コースに進んで抑えのMARCHに合格した人。
最後のタイプの人はちょっと損な感じがする。