神奈川県在住の男子中学生が高校受験で早慶附属高校を目指す場合、慶應義塾高校か早稲田実業高校になるが、慶應義塾高校の方が圧倒的にアクセスが良い。
娘が中3の時に数検を受けに日吉キャンパスに行ったが、ここなら家から通えるんだよね。慶應理工学部(矢上キャンパスは駅から少し遠い)がもう少し易しく学費が安ければ考えるけどなぁ、と思った。娘の試験時間中、陸上競技場に行ったら、100m日本記録保持者の山縣亮太さんがセイコーの社員として子供に走り方を教えていた。超ラッキーだった。
教育課程
高1では、社会は地理総合と公共、理科は生物基礎を履修する。高2では、社会は歴史総合、理科は化学基礎と物理基礎を履修する。数学は数学IIのみ。高3では、論理国語、数学B、地学基礎、体育、英コミュが必修で、あとは選択科目になる。卒業研究があり、自らテーマを設定して論文を作成する。
高1、高2では必修科目のみを履修する。大学受験を前提にしないプログラムだ。理科学系のクラブにも所属せず、この教育プログラムだけで慶應の理工学部に進学するのは怖すぎる。
慶應義塾大学への推薦入学者数
(2023年度)
経済学部 210(32.0%)
法学部 224(34.1%)
商学部 70(10.7%)
環境情報学部 22(3.4%)
総合政策学部 11(1.7%)
文学部 9(1.4%)
理工学部 86(13.1%)
医学部 22(3.3%)
薬学部 2(0.3%)
計656名
1学年の生徒数は720人ぐらいだが、卒業生数は670名。留年する生徒が50名以上いるのかもしれない。
清原ジュニアが留年したとのニュースがあったが、驚くほどのことではなかった。
理系学部への推薦入学者の割合が16.7%と低い。理工学部への推薦入学者の割合を年度別に見ると以下のとおり:
2018年度 12.4%
2019年度 13.7%
2020年度 13.8%
2021年度 14.6%
2022年度 14.3%
2023年度 13.1%
高校受験を経て慶應義塾高校に進学する場合、経済学部か法学部に進むことを前提にした方が良さそうだ。
文学部を志望する生徒は異色の存在だろうね。山口周さん(元戦略コンサル、パブリックスピーカー、J-WaveのBIBLIOTHECA 館長)はこのルートだ。
部活動
ありとあらゆるクラブがある。
娘の中学校からは、良く会話に登場していた男子が進学した。学業優秀、スポーツ万能、イケメンと三拍子揃っていたな。しかし、「あれ、きみは翠嵐か湘南に行くんじゃなかったけ?」ではあった。
スポーツ万能な男子にとって、慶應義塾は魅力があるんだろうね。しかし、ほぼ文系確定になってしまう。
慶應義塾高校に合格するレベルは、全県模試偏差値72ぐらいではないだろうか(入試問題が違うので、学力レベルという意味)。偏差値74だと東大・一橋や最難関国立大学の理系学部に挑戦したくなるはずだし、偏差値70だと翠嵐・湘南以外の進学重点校の合格ゾーンど真ん中の生徒が普通に届いてしまう。全県模試偏差値72ぐらいの難易度だと、大学受験と高校受験のどちらを選んでも損得ゼロになりそうだ。
しかし、全県模試偏差値72の学力で慶應文系確定は得なのか損なのか。そこは考えどころだ。