名古屋大学文学部の令和7年度学校推薦型選抜募集要項が7月9日付で公開された。11月上旬出願、12月9日合格発表の短期決戦だ。
募集人員15名
文学部の募集人員は125名で、一般選抜(前期日程)110名(募集人員の88%)、学校推薦型選抜15名(同12%)。
学校推薦型選抜の募集人員の割合はやや低い(15%に満たない)。この入試制度を限定的に実施している印象を受ける。
日程
出願: 11/1〜11/7
第1次選考結果: 11/19
第2次選考: 11/27
合格発表: 12/9
大学入学共通テストを課さないタイプの入試で、短期決戦なのは嬉しい。
主な出願資格・要件
学校長の推薦(各校2名まで)
調査書の学習成績概評A段階
評定平均4.3以上が条件になる。共通テストを課さないので、当然こうなる。
第1次選考方法
書類審査(推薦書、調査書、志望理由書)により、約30名を合格とする。
推薦書
様式は、1.推薦理由、2.人物評価、3.学業成績で構成されている。学業成績は上位5%以内、10%以内、15%以内、20%以内、30%以内、それ以外のいずれに該当するかを記入する形式になっている。
評定平均4.3以上が求められているので、上位15%以内には入っていたい。人物評価については、部活動で活躍し、部長・キャプテンを経験した人や、文化祭の実行委員長などを経験した人が有利になると思う。
志望理由書
文学部で学びたい理由(600字程度)、自分が関心を持っている人文学に関わる本についての内容紹介と自分の意見(800字程度)を自筆で記入する。
非常にオーソドックスな課題だ。この課題について、高2の夏休みに構想を練ることができたら理想的だと思う。
任意提出書類
語学力を示す各種試験スコア、国際バカロレアスコア、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)での活動、人文学分野コンテスト等への参加状況、科学オリンピック実績、他。
英検準1級(またはそれに準ずる資格スコア)は必要になると思う。それ以外に提出するものが欲しいところだ(学業成績が上位5%以内なら、いらないかもしれない)。
第2次選考方法
小論文120分
英語の文章を読み、日本語で論述する形式。
面接15分程度
プレゼン5分、質疑10分
2024年度入試結果
志願者36名、第1次選考合格者28名、最終合格者15名(志願倍率2.4倍)。
志願者が少ないなあ。何故だろう。
一般選抜(前期日程)は、受験者189名、合格者111名(受験倍率1.7倍)。共通テストボーダー得点率(河合塾)は77%。
個別学力検査では、数学も受験科目に入っている。
まとめると、評定平均4.3以上で、英検準1級を持ち、部活動での部長・キャプテンの経験や文化祭の実行委員長などの経験があれば、学校推薦型選抜で合格するチャンスがある。
高校の文系コースで評定平均4.3以上ということは、数学と理科基礎科目の成績をうまくまとめられるかがポイントになる。
首都圏の公立上位校だと、早慶の指定校推薦が狙えるレベルである。しかし、早慶の指定校推薦を本気で狙う受験生は共通テストを回避する方針だと思う。
名古屋大学文学部の学校推薦型選抜は、部活動と共通テスト準備を両立させるタフな選択をした受験生に与えられるチャンスなのかもしれない。