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高校物理の難易度を知る!力積と運動量

 力積は力(F)と時間(t)をかけたもので、運動量(p=mv)の変化とイコールになる。

  力積Ft=運動量p(mv)の変化

 

 力積と運動量という二つの独立した物理量があって、上の関係式が成り立っているわけではない。力を時間積分(時刻t0から時刻t1まで)すると、mv1(v1:時刻t1での物体の速度)ーmv0 (v0:時刻t0での物体の速度)になり、このmvという物理量(ベクトル)を運動量と呼んでいるわけだ。

 力を空間積分すると運動エネルギーの変化になり、時間積分すると運動量の変化になる。

 

 二つの物体からなる系が外部から力を受けないとき、この系の運動量の総和は時間的に変化しないという運動量保存則が成り立つ。

 作用・反作用の法則があるからこうなる。

 

 この運動量保存則が物理の問題を解く上で威力を発揮する。というよりも、標準問題は、運動量保存則をどう使うかの問題になっていると思う。

 

 物体同士の衝突の場合、外力が働いていない前提のもとで、衝突直前と直後で運動量の総和は変化しない。物体Aと物体Bのそれぞれの速度は衝突前後で変化するが、衝突前の速度と反発係数が与えられれば、衝突後の速度がわかってしまう。

 

 運動エネルギーとの関係では、反発係数が1の場合、二つの物体の運動エネルギーの総和は保存される。反発係数が1未満の場合は、衝突によって熱や音が発生するため、運動エネルギーはこの分だけ減少する。

 

 物理って難しいけど本当に面白い。映画評論家の水野晴郎氏(故人)の「いやぁ、映画って本当にいいもんですね」のように、毎回つぶやきたくなる。

 

 ところで、ニュートン力学から量子力学に向かう途中に、解析力学という超難解なものが存在する。解析力学では、粒子(ミクロな世界なので粒子)の状態を表すのに運動量と位置の直交座標(位相空間)を使う。運動量(ベクトル量)をy軸に使うのである。